「SIPは業務プロセスの一部になる」、アバイア

2006/3/10

 日本アバイアは3月9日、米国で3月6日に行ったソフトウェアに関する一連の発表について、東京都内で説明した。

米アバイアのソフトウェア部門バイスプレジデント、チャーリー・イル氏

 米アバイアは2005年5月に「Intelligent Communications」というビジョンを発表。これは、同社の提供するSIPソリューションと業務アプリケーションの融合により、企業における業務プロセス改善を支援することを目指している。このため、同社のVoIP/SIPサーバ・ソフトウェアでは、Webサービス・インターフェイスを提供しているほか、SAPなどの業務ソフトウェア・ベンダとの連携を進めている。

 今回の発表は同ビジョンを拡張するもので、サーバ側ではIPテレフォニーを実現するソフトウェア、「Avaya Communication Manager」の新バージョン3.1が発表された。新バージョンでは、「ホット・デスキング」という機能が追加されている。これは、ユーザーが自分用にカスタマイズしたIP電話機の設定(短縮ダイアルなど)を自分のIDと関連付けてサーバに保存、ほかのIP電話機を使う場合でもログインするだけで、この設定を再現することができるというもの。

 SIPの利用には、「Avaya SIP Enablement Services」という追加ソフトウェアが必要だが、新バージョンでは追加クライアントライセンスなしでこれを利用できるようになった。同社は標準プロトコルのSIPによって、同じくSIPに基づくさまざまな端末との接続ができるように図っている。今回は、シスコシステムズのIP電話機との接続にも完全対応した。

 一方アバイアは、今回SIPクライアント側で新たなソフトウェア・シリーズ、「Avaya one-X」を立ち上げた。このシリーズの基本的な目的は、エンドユーザーがオフィスのVoIP/SIPサーバへのアクセスのために用いる機器が、PCであっても、IP対応の携帯電話であっても、同様な使い勝手を実現することを目的としている。

 「Avaya one-X Desktop Edition」はPC上のSIPアプリケーションで、プレゼンス機能、インスタント・メッセージング、そして「クリック・ツー・コンフェランス」(5人までのユーザーとのアドホックな電話会議を可能にする機能)を搭載する。同製品の日本語版は、5月に提供開始予定。

 Avaya one-X Mobile Editionは、ノキアの携帯電話「S60」用アプリケーションで、one-X Desktop Editionと同様なインターフェイスを備えている。職場での自分の電話番号をそのまま用い、出先でも発着信ができるようになる。こちらは英語版が4月中旬に提供開始される。

 米アバイアのソフトウェア部門バイスプレジデント、チャーリー・イル(Charlie Ill)氏は、同社の売り上げに占めるソフトウェアの比率が22〜23%だとし、今後3年間でソフトウェアの売り上げを2けた成長させたいと語った。

 「そのための第1歩はソフトウェアとハードウェアの分離。当社のソフトウェアはカスタマイズされたハードウェアと組み合わされてきたが、これを標準ベースのハードウェアで動くようにしていく」(イル氏)という。

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