わがままに応えなくていい? オラクルがExcel連携ツール新版

2006/3/29

 日本オラクルはOracle DatabaseのデータをMicrosoft Excelのワークシートに取り込んで、データの検索や更新ができるデータベースツールの新版「KeySQL Release 6.0」を3月28日に出荷した。新版ではエンドユーザーの管理機能を追加。日本オラクルのシステム事業推進本部 データベースグループ 一志達也氏は「いろいろと出てくるエンドユーザーのわがままに開発者が応えなくても、データベース上のデータを利用させることができる」としている。

日本オラクルのシステム事業推進本部 データベースグループ 一志達也氏

 KeySQLはOracle Databaseにアクセスするクライアントツール。データベースにログインし、必要な検索条件を設定すればデータベースからデータを取り出し、自動でExcelのワークシートに張り付けることができる。エンドユーザーは使い慣れたExcelで定型のレポートや見積書などを作成可能。KeySQLにはデータ検索だけができる「検索版」と、Excel上のデータをOracle Databaseに反映させることができる「検索・更新版」がある。システムの管理者は検索・更新版、一般のエンドユーザーは検索版を使うなどの利用法が考えられる。

 KeySQL Release 6.0の検索・更新版には管理ツールの「KeySQL Administrator」を新たに追加した。KeySQLを利用するユーザーの作成や変更が可能。ユーザーをまとめたグループを定義し、データベースの参照可能エリアの設定などもできる。KeySQL Administratorで作成したユーザーはOracle Databaseのユーザーとして登録されるため、Oracle Databaseの機能でアクセスログの監査もできるという。KeySQLの検索条件を登録するマクロファイルの作成やKeySQL内でのクロス集計などもサポートした。

 価格は検索・更新版が1 Named User Plusで5万5650円、検索版が3万4650円。Oracle9i Database Release 2以降で動作する。

 日本オラクルはまた、PL/SQLのデバッグツール「Oracle SQL Developer」の早期アクセス版(EAP)を4月1日からOTN-Jで無償配布すると発表した。一志氏は「Oracle Database開発者は手作業でPL/SQLのデバッグを行ったり、サードパーティの高価なツールを使っている。無償のOracle SQL Developerは開発者にとって極めて有益なオラクル純正のGUIツールだ」と述べた。

 Oracle SQL Developerはオブジェクトのドラッグ&ドロップでSQLを生成可能。Snippetsで構文や関数を挿入する機能もある。ブレークポイントの設定やステップ実行も可能で、PL/SQLプログラムのの「インタラクティブな実行/コンパイル/再編集」(一志氏)が可能という。ステップ実行に対応するため、コンパイルエラーの発生個所の特定が容易という。Windows、Linuxをサポートし、Mac OS Xのサポートも計画している。

 今回配布するのはインターフェイスが一部英語のEAP版。完全日本語版は今夏に次期バージョンとして提供開始する。

(@IT 垣内郁栄)

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日本オラクルの発表資料

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