アイシロン、ソフトウェア機能拡充でエンタープライズ市場を開拓

2006/10/18

米アイシロン副社長 トム・ぺティグルー氏

 アイシロン・システムズは10月16日、同社のNAS機器におけるOSの新バージョンとソフトウェア・アプリケーションの強化を発表した。「これらの機能は、エンタープライズ市場の開拓に大きく貢献するだろう」と米アイシロンのグローバルセールスパートナーズ担当副社長、トム・ぺティグルー(Tom Pettigrew)氏は話した。

 アイシロンのNASでは、複数のNASボックスを積み木のように組み合わせて使う。各NASボックスの頭脳部分が相互協調し、単一のグローバルファイルシステムを構成できることにより、拡張性とパフォーマンス、柔軟性を実現している。

 今回発表されたOneFS 4.5では、単一ファイルシステムと単一ボリュームで1ペタバイトの容量を可能にするとともに、10GB/sの性能を実現した。データ保護に関しては、RAID6を上回るN+3(パリティドライブ3台)やN+4(パリティドライブ4台)の構成をサポート。Windows環境のアクセスコントロールについては、従来POSIX ACLによる基本的な制御のみだったが、今回はNTFSのACLをフルサポートした。

 アプリケーションでは、負荷分散ソフト「SmartConnect」のv2.0を投入。新バージョンでは単一のホスト名を使ったNFS接続の自動的な負荷分散とフェイルオーバーを実現した。特定ユーザーやアプリケーションだけが同社のNASクラスタの一部ノードグループにアクセスできる設定も可能になった。

 さらにアイシロンは新ソフトウェア「Snapshot IQ」をリリース。データ復旧のためのスナップショットを作成するものだが、単一のストレージプールで無制限のスナップショットが可能で、単一ディレクトリには最大1024個のスナップショットを保存可能という。同ソフトウェアでは、スナップショットをクラスタ全体、ディレクトリ、サブディレクトリの各レベルで作成できる。

  ライセンス参考価格はSmartConnect v2.0が1ノード99万円で、SnapshotIQは1ノード59万円。「ノード」とはNASボックス1筐体(きょうたい)を意味する。

(@IT 三木泉)

[関連リンク]
アイシロンのOneFS 4.5発表資料
アイシロンのアプリケーション発表資料

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