従来製品のパフォーマンスを400％向上、シスコ製品より30％安いとアピール

ジュニパー、支店向けに特化したエンタープライズルータ

2006/10/31

　ジュニパーネットワークスは10月31日、企業の支店や拠点ネットワーク向けに特化したエンタープライズルータ「Jシリーズ」2製品を発表した。11月より出荷を開始する。

ジュニパーネットワークス マーケティング部 ソリューションマーケティング マネージャー 近藤雅樹氏

　発表した新製品は、「J4350」と「J6350」の2製品。J4350のスループットは1Gbps、J6350が2Gbps。ファイアウォールスループットはJ4350が400Mbps、J6350が650Mbps。インターフェイスは、J4350がLAN/WAN×2とWAN×4、J6350がLAN/WAN×4とWAN×2のスロットを搭載。J6350は電源も冗長化している。

　ジュニパーは「世界中の従業員のうち、80％超が本社外に勤務している」というガートナーの調査結果を例示し、企業は支店や拠点（データセンター）にもっと注力すべきだと警告。ADSLやFTTHの普及とともに、WANの代わりにインターネットを利用しているケースも増えてきていることから、コンプライアンス監査やアプリケーションのパフォーマンスに一層の注意が必要だと強調した。

　このような背景から、ジュニパー マーケティング部 ソリューションマーケティング マネージャー 近藤雅樹氏は、「当社の支店・拠点ネットワーク向け戦略は、接続性の高い支店・拠点ネットワークを目指すことだ」と語り、支店のビジネスニーズに応えるべく、機能的に統合した機器を提供することで、コストを落としつつ、パフォーマンスを向上させた機器であるJシリーズを開発した。

　具体的に、同社の支店・拠点ネットワーク向け戦略は3つのフェイズに分かれる。それぞれのフェイズは、Jシリーズを提供し、支店・拠点に具体的なソリューションを提供するフェイズ1。新しいJシリーズのためにアバイヤのIPテレフォニーモジュールや、WAN最適化アプライアンス「WXCシリーズ」をモジュール化して提供するフェイズ2。ウイルス対策やファイアウォールといったセキュリティ（UTM：統合脅威管理）をJUNOSに追加し、セキュリティを強化するフェイズ3からなる。

　フェイズ2のアバイヤモジュールは2007年第1四半期、WXCモジュールは2007年後半ころから提供する予定。フェイズ3のJUNOSへのUTM機能の搭載は18カ月程度先を予定しているとした。

　近藤氏は、「新しいJシリーズは非常にコストパフォーマンスが良い。既存のJシリーズと比較して、400％以上のパフォーマンスを実現した。また、パフォーマンス当たりのコストもライバルのシスコ製品ISRシリーズと比較して30％以上安いと自負している。今後、多くの支店・拠点にJシリーズを提供していきたい」とコメントした。

（＠IT　大津心）

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