ITILへの準拠度も向上

「ITサービス管理のファイナルアンサー」? BMCがRemedy新版発表

2006/11/01

 BMCソフトウェアは11月1日、同社のITサービス管理スイートの新製品「BMC Remedy IT Service Management v7.0」を12月1日に出荷開始すると発表した。

 前バージョンのv6.0と比較して、v7.0ではITILへの準拠度を向上するとともに、導入要件に関して幅の広い選択肢をカスタマイズなしに提供できるようになったことが、最大のポイントだという。

 「組織要件やプロセス要件、情報の機密性確保について柔軟性が大幅に向上した。今までは(導入において)ほとんどの場合時間と費用のかかるカスタマイズが発生していた。新バージョンでは、多くの場合ユーザー定義でカバーできる。これは、従来からITサービス管理の導入で何が問題となるかについて精査してきた結果。新バージョンはITサービス管理のファイナルアンサーに近い」と同社技術本部ソフトウェアコンサルタントの松本浩彰氏は話した。

 組織要件については、特にITサービス管理のアウトソーシングサービスを提供する企業にとって便利な機能拡張を行った。新バージョンでは複数の組織におけるITサービス管理を並列的に行うことができるようにした。それぞれの組織では別個のプロセスを構築することもできるし、部分的に同一のプロセスを適用することもできる。

 データの機密性についても、組織間での情報共有レベルを自由に設定できる。構成情報のどの部分をどのユーザーが見られるかについても従来はカスタマイズで対応するしかなかったが、新バージョンでは簡単に設定できるようになった。

bmc01.jpg BMCソフトウェア ソフトウェアコンサルタントの松本浩彰氏

 インシデント管理では、同社の経験に基づいて具体的な基本プロセスフローを提供し、これを踏まえたうえで各顧客の要件に合わせたITサービス管理のシステムを組めるようにした。また、問題管理ではこれまで、機能が原因究明を担う問題コントロールに集中していたが、新バージョンではエラーコントロールに関する機能も追加し。

 変更管理における承認は、従来バージョンでは各インシデントについて1回だけだったが、新バージョンではインシデントのレベルに応じて1〜4回の承認プロセスを割り当てることができる。

 BMCは管理ツールの「PATROL」製品ファミリでも知られるが、PATROLは今後Remedyのオプション製品としての色彩を強めていくことになるという。PATROLの一部である「BMC Configuration Manager」はネットワーク上のIT資産の構成情報を自動的に取得、Remedyの構成情報データベースに伝えられるようになっている。2007年前半にはPATROLのパフォーマンス管理製品「BMC Performance Manager」がRemedyと連動し、取得したパフォーマンス関連情報をサービスレベル管理に生かせるようになるという。

 Remedy IT Service Management v7.0はサービスデスク、変更管理、IT資産管理、サービスレベル管理、構成管理データベースの各アプリケーションで構成される。価格はこの6つのアプリケーション合計で2210万円より。v6.0は国内で30数社の導入実績があるが、2007年3月までにさらに10社の導入が目標という。

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(@IT 三木泉)

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