検証データや事例を共有してプロモーション活動

サン、Solaris on x86推進で業界団体設立へ

2007/09/19

sun01.jpg サン・マイクロシステムズ 代表取締役社長 末次朝彦氏

 サン・マイクロシステムズは11月中にも業界団体「Solaris Community for Business」(仮称)を国内で設立する。「Solaris on SPARCに比べて、まだSolaris on x86の認知度は高くない」(代表取締役社長 末次朝彦氏)ため、x86/x64プラットフォーム上で用いるSolarisの認知を広めるのが狙い。ISV、IHV、SI事業者などが参加する。現時点でシマンテック、日本AMD、日本オラクル、日本BEAシステムズ、NEC情報システムズ、伊藤忠テクノソリューションズなどが参加表明している。

 団体設立の背景にはSI事業社らからの働きかけもあったようだ。Solaris on x86は「安定性やパフォーマンス、セキュリティなどエンタープライズ用途でメリットがある」(末次氏)が、そうした技術的優位点について、SI事業者と顧客企業の間で認識が食い違うケースがある。団体を通したプロモーションを行うことで「1件、1件の案件ごとに顧客に説明するよりも、みなで訴求していく」(マーケティング統括本部 ISV&パートナーマーケティング本部長 伊藤敬氏)という

 新団体ではセミナー開催やプロモーション活動などに加えて、検証データや成功事例などノウハウも共有していく。例えば、伊藤忠テクノソリューションズはSolaris on x86上でのOracle Real Application Clusters 10gについて、これまでにパフォーマンス検証を行っている。8ノードまでほぼリニアにスケールすることを確認したほか、CPU使用率が100%になる高負荷のトランザクション処理を行ってもスループットの劣化がないことを確認。団体では、こうした「ほかのOSにないSolarisの良さ」(伊藤氏)を示し、市場を拡大させたい考えだ。

 現在、Solarisのハードウェア互換リストに掲載されている906機種のうちSPARCベースのものは75機種のみ。残りの831機種はx86/x64ベース。また、ダウンロードされるSolarisのうち約6割はx86/x64向けのものとなっているという。今回の団体設立は、そうしたx86ベースのサーバへの市場のニーズに応えるものという。

(@IT 西村賢)

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