ライブフォルダやソフトウェアキーボードなど

多数の新機能搭載、Android 1.5が早期リリース

2009/04/14

 米グーグルのAndroidチームは4月13日、“cupcake”のコードネームで呼ばれていた開発中の次期バージョンの開発キットを「Android 1.5 Early Look SDK 1.5」として公開した。Windows版、Linux版、Mac OS X版をダウンロードできる。APIは最終的な決定に至っていないものの、ほぼ最終段階に達しており、開発者に新バージョンのテストを呼びかけている。今回のバージョンから、異なるバージョンのSDKを1つの環境で利用できるようになっており、SDK 1.1/1.5の双方の開発を行える。

 SDKとしての大きな変更は、アドオンに対応したこと。これにより、キャリアや端末メーカーなどがSDKを拡張するモジュールの提供が容易になる。グーグル自身も、従来SDKのコアに統合していたGoogle Maps APIをアドオンとしたという。

RSSや更新情報チェックに使える“ライブフォルダ”

 Android SDK 1.5は開発者向けのキットだが、PC向けの端末エミュレータとAndroid本体のコードが含まれている。このため、実質的にはAndroid端末の今後の進化そのものとなる新機能を見ることができる。

 Android 1.5の目玉の1つはライブフォルダだ。これは常時アップデートされるRSSや株価情報などの情報を、手軽にリスト表示するための新しいユーザーインターフェイス。YouTubeの最新動画をライブフォルダとして登録しておけば、手軽に更新分を確認できるという。もともとAndroidにはノーティフィケーションと呼ぶ機能があって、メールやTwitterでの返信などを、画面上部のバーでユーザーに通知することができる。ライブフォルダは、単にメッセージ件数/未読件数だけでなく、メールや記事の見出し一覧も知りたいケースなどで有用だろう。

 ほかに目立つ大きな変更点としては、ソフトウェアキーボードの搭載がある。ソフトウェアキーボードは水平位置でも垂直位置でも使える。また、サードパーティー製のキーボードの利用やユーザー辞書にも対応するという。いずれにしても、今後登場するAndroid端末は、特殊な事情がない限りは、物理キーボードの有無にかかわらず、ソフトウェアキーボードも利用できるようになりそうだ。また、日本人ユーザーとしては、テキスト予測エンジンの搭載と、IMEをダウンロード可能とする機能の搭載も気になるポイントだ。テキスト予測エンジンは、予測変換として使える可能性もあるだろう。

 搭載する標準アプリケーションで、個別にUIの変更やパフォーマンスの改善も施されているが、システム全体のUIも変更されているという。デフォルトではオフであるものの、ウィンドウのアニメーション効果や、加速度センサベースの表示方向変更などが標準APIの利用で可能となるようだ(これまではアプリケーションが自前で加速度センサを使って回転を制御する必要があった)。

 このほか、新機能として開発者向けサイトで紹介されている主な機能追加は、以下の通り。

  • カメラアプリケーションでの動画撮影
  • 3GP形式での動画撮影API
  • Webブラウザを最新のWebKitベースに。JavaScriptエンジンにSquirrelfish搭載
  • Webブラウザ内での検索およびコピー・アンド・ペースト
  • YouTube、Picasaへの動画、写真のアップロード機能
  • インテントを使った音声認識ライブラリの利用

(@IT 西村賢)

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