iPhoneより大画面で、より高機能に進化か

アップルタブレット登場で高額アプリも花開く?

2010/01/26

 米アップルが1月27日に開催予定のイベントで発表するとみられているタブレット製品は、電子書籍リーダーだけでなく、モバイルアプリケーションの市場にも大きな影響を及ぼすことになりそうだ。アップルはすでに10万種類以上のアプリケーションでこの市場を支配している。

 モバイル市場調査会社Flurryでは、どのモバイル端末でどのアプリケーションが使用されているかに関するデータを収集しているが、同社によると、最近アップル本社の周辺で新しい端末が使われていること、タブレットの大きめの画面を活用した新種のアプリケーションがテストされていることが確認されているという。

 この新タブレットは10インチディスプレイを搭載するか、あるいは10インチモデルと7インチモデルの2種類が提供されるとみられている。

 「日常的なメディアの消費行動のためのアプリケーションが数多くテストされている。ニュースや書籍、楽曲のストリーミング配信、ラジオなどだ。ただし友人と一緒に楽しめるマルチプレイヤーゲームなど、ソーシャルアプリケーションも多数確認されている」とFlurryのマーケティング担当副社長ピーター・ファラーゴ氏はNew York Timesの取材に応じ、語っている。

 Flurryによると、新タブレットにはiPhone OSの最新版である未発表のOS 3.2が搭載され、iPhone向けアプリの設計に慣れている開発者に大きな変更を強いるものにはならない見通し。

 Flurryは1月24日、自社のブログにおいて、新タブレット向けのアプリケーションを200種類ほど確認したと説明している。ダウンロードや起動が確認されたアプリケーションのうち、約150種類はゲームだったという。そのほかには、エンターテインメント、ニュース、電子書籍向けのアプリケーションのほか、ビジネス指向のアプリケーションも確認できたという。こうした新種のアプリケーションは、より大きな画面でより多くのことを実行できるよう設計されているため、その分、価格は現在の水準よりも高めになることが予想される。

 Endpoint Technologiesのアナリスト、ロジャー・ケイ氏も、より高い価格帯でより複雑なアプリケーションが登場することになると予想している。

 「アップルはiPhoneでタッチ操作を定着させ、その楽しさをさらに大きな画面に広げることで、より没入しやすいタッチ操作を実現したいと考えている。アップルがこのハードウェアの価格をどう設定するかによっては、この端末はタブレット市場に火を付けることになるかもしれない」とケイ氏はeWEEKの取材に応じ、語っている。

 Technology Business Researchのアナリスト、エズラ・ゴットヘイル氏は、新しいアプリケーションの種類やタブレットの購入者はもっと控えめな数になると予想している。

 「iPhoneやiPod touchのときほど爆発的な勢いはみられないのではと考えている。きちんと機能する適切な価格のタブレットであれば成功はするだろうが、iPhoneほどの大成功を期待できるとは思っていない。あれば便利な製品にはなるだろうが、必ず持っていなければならないというほどの製品にはならないだろう」と同氏はeWEEKの取材に応じ、語っている。

 France Telecomの幹部が1月11日に語ったところによると、アップルタブレットはマルチユーザー入力に加えて、Webカメラを搭載し、2Gおよび3GとWi-Fi接続をサポートするほか、バッテリー駆動時間も長く、業界トップのアプリケーションプロセッサと高度な電子書籍リーダー機能を搭載する見通し。

 「音楽を聴いたり、動画を見たりといった行為に加えて、今や読書もインターネット配信という劇的な変化に直面しているメディアの1つであり、従来のビジネスモデルに大きな影響が及ぶであろうことは確実だ」とLazard Capital Marketsのアナリスト、ダニエル・アミール氏は1月25日付の調査報告書で指摘している。

 「この新タブレットが成功すればiPhoneほどの販売台数を見込めるようになるだろう」とさらに同氏は続けている。

 アップルの情報に詳しいとされるGoogle Chinaの元幹部によると、アップルは発売後の最初の1年でこのタブレット端末を1000万台販売する計画という。

原文へのリンク

(eWEEK Michelle Maisto)

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