低消費電力のスイッチ「Z9000」も発表

「ネットワーキングの世界もオープンに」、フォーステンが新構想

2011/05/27

 フォーステン・ネットワークスは5月27日、多様化するデータセンターのニーズに合わせて柔軟にネットワークを構築できるようにする「オープン・クラウド・ネットワーキング(OCN)構想」を発表した。併せて、OCN構想を実現するコンポーネントとなる新製品「Zシリーズ Zetta Scale」もリリースした。

 発表に合わせて来日した米フォーステン・ネットワークスの最高マーケティング責任者、アーピット・ジョシプラ氏は、「ITシステムはクローズドな環境からクラウドへと向かっているが、オープンになったのはコンピューティングリソースとストレージの2つだけ。ネットワークはいまだに、プロプライエタリなハードウェアやソフトウェア、アプリケーションによってクローズドなままになっている」と述べた。

 これに対しOCN構想では、独自プロトコルではなく、レイヤ2ではTRILL、レイヤ3ではOSPFやBGPといった標準プロトコルを用いてネットワークファブリックを構築。併せて、「オープンオートメーション 2.0」というフレームワークを通じて、仮想化環境も含めたデータセンター全体の運用管理を簡素化、自動化するという。

 ジョシプラ氏は、「データセンターと一口に言っても、Web 2.0系のサービスを提供しているならば拡張性やパフォーマンスが、HPCならば低レイテンシが、またクラウド基盤ならばエラスティックな柔軟性がといった具合に、用途、業種ごとに要件は異なる」と述べた。OCN構想は、パフォーマンスやコストを犠牲にすることなく選択肢を提供することで、そのいずれにも対応するという。

 OCN構想を実現する要素として投入する新製品が「Z9000」だ。2RUサイズのきょう体に、32ポートの40ギガビットイーサネット(40GbE)、128ポートの10GbEを搭載しながら、消費電力は800ワット。ハードウェア設計やチップを提供するパートナーとの協業により低消費電力を実現した。従来のシャーシ型製品の約10分の1のサイズで、2.5Tbpsのスイッチング容量を提供する。「最もグリーンな製品であり、省電力型データセンター、コンテナデータセンターに適している」(ジョシプラ氏)ほか、最大160Tbpsまでの拡張性を備えており、分散型ネットワークファブリックの構成も可能だ。

 OCN構想のもう1つの柱であるオープンオートメーション 2.0は、さまざまなサーバ/ストレージと連携可能なフレームワークだ。APIやオープン・ファブリック・マネージャ(OFM)を介して、ハイパーバイザーも含め、運用管理の複雑さを軽減するという。バージョン2.0では「OpenConnect」によってWeb GUIを提供するほか、開発者向けにオープンフォーラム「Dev Exchange」を開設し、情報交換を促す。2011年第3四半期には、設定投入や管理作業を自動化するPerlやPythonスクリプトの売買を可能にする「Script Store」も開始する予定だ。

 フォーステンはさらに2011年秋に、シャーシ型コアシステム「Z9512」や、1つのきょう体の中にネットワーキング機能のほか、FCoEによるストレージ、アプリケーションサーバ機能を統合する「S7000」といった製品も投入する計画だ。

(@IT 高橋睦美)

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