[Analysis]

これからはビジネスもWebメールの時代!?

2007/03/05

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 最近、筆者のWebメールへの依存度が高まっている。海外で重宝するため10年近く前からHotmailを愛用していたが、Gmailを使い始めてからはさらに使い方が広がった。ほとんどのプロバイダではWebメールを標準サービスとして提供しているし、もはやプライベートでWebメールを使わない人は少ないくらいではないだろうか。一方、ビジネスとなるとWebメールの使用度はまだまだ低いが、さまざまなベンダがWebメールシステムをリリースしている。

 現在、多くのWebメールサービスがFlashやAjaxなどのリッチクライアント技術を駆使してサービスを提供している。これらの技術の登場で、一般のメーラーと同じようなユーザーインターフェイスを実現し、ユーザーの利便性を高めてきている。実際、NECソフトが提供している「WitchyMail」の元来の開発コンセプトには、「多くのビジネスユーザーに認められているBecky!のようなWebメーラーを作りたい」という目的があったという。

 同社では、ビジネスユースにおいてWebメールが浸透しない理由が、「レスポンス」や「使いやすさ」が一般のメーラーに劣っている点にあると分析。レスポンスを向上させるためにAjaxの開発ツールキットから自製し、無駄を省いてレスポンスを向上させたという。

 また、ネオジャパンはIMAP4に対応したWebメールシステム「Denbun」を発表している。既存のIMAP4サーバに追加するだけで、Webメール化が可能になるというシステムだ。IMAP4なので、基本的にメール本文はメールサーバ上に保存される。このメールを社内であれば、クライアントPCの一般メーラーから閲覧してもよいし、Webブラウザを使い、Webメーラーを介して閲覧することもできる。メールをメールサーバ上のみで保管することで、情報管理やバックアップなどの視点でもかなりのコスト削減が期待できるという。

 また、学校やサポートセンターなど、1台のPCを複数人で利用する場合にはクライアントにデータの残る一般メーラーの使用は難しく、Webメーラーが好まれるという。さらに情報漏えい防止の観点から、シンクライアント化を目指し、その第一歩としてWebメーラーを導入する金融機関もでてきた。今後、さらにビジネスユースを見込み、有用な機能を盛り込んだWebメールサービスが登場しそうだ。ビジネスユースでも、POPによるメールサービスとWebメールサービスの利用者が逆転する日も近いかもしれない。

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(@IT 大津心)

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