[コラム:Spencer F. Katt]
中年ハイテク・エグゼクティブの殴り合い?

2005/4/12


 イワン・ドラゴのように怒涛のパテント攻撃を仕掛けてくるマイクロソフトに、ノベルのジャック・メスマンは「かかってこい」とロッキー・バルボアのように立ち上がった……。と、イメージしかけた吾輩だが、中年ハイテク・エグゼクティブ代表のノベルCEOとビル・ゲイツがボクシング・トランクスを履き、面と向かって対峙する姿を想像するのは、ちょっと無理があった。

 もしマイクロソフトがLinuxに対して、これみよがしに特許権を振りかざせば、両社の冷たい戦争は一気にヒートアップするかもしれない。さすがにメスマンは、ソフトウェア・スーパーパワーのトップらしく、そうした動きにノベルがどう対応するか、もったいぶった言い回しはしない。

 最近、ソルトレークシティで開催されたノベルのBrainShareカンファレンスで、メスマンは、「レドモンドとの著作権戦争は、両社の“核デタント”を台無しにする可能性がある」と話した。しかし、著作権に関する相互保証の原則が成立しなければ、結局、不利益をこうむるのはマイクロソフトだという。なぜなら、「ノベルの著作権がマイクロソフトの収益に貢献する度合いは、マイクロソフトの著作権がノベルの収益に貢献する度合いよりもはるかに大きい」(メスマン)からだ。

 そのとき、携帯電話の着信音に設定していた「Eye of the Tiger」のメロディが、吾輩の妄想を吹き飛ばした。生卵を勢いよく飲み干して電話に出ると、いつもの友人が訴訟関係の最新情報を教えてくれた。なんでも、クエスト・ソフトウェアとコンピュータ・アソシエイツの間で争われていた著作権訴訟は、クエストがCAに1600万ドルと一定のロイヤルティを支払うことで和解に至ったそうだ。裁判所は、「Quest Central for DB2」がCAのプロプライエタリな情報を利用していると判断したらしい。

 散らかった部屋の中でシャドーボクシングをはじめた吾輩に、電話の向こうの友人は、「ラスベガス・コンベンションセンターのカレンダーからCOMDEXの名前が落ちたよ」と言った。ラスベガス・サン紙によると、COMDEXの主催者であるメディアライブ・インターナショナルは、今年11月中旬の開催をコンベンションセンターにコンファームすることができなかったという。

 ところが、メディアライブのWebサイトによると、COMDEXは11月に、なんとギリシャのアテネで開催されるそうだ。「こりゃたまげた」と吾輩は笑った。コンピュータ・ゲームが法律で禁止されている国にハイテク技術者を集めて、いっせいに携帯電話でゲームでもやろうってのかな……。

 それはそうと、ヒューレット・パッカードのCEOに電撃就任したNCRのCEO、マーク・ハードの後任はいったい誰になるのか、友人に聞いてみると、「とりあえずNCRのボードメンバーのジェームス・リングラーが暫定的にCEOを引き受けるみたいだね。イリノイ・ツール・ワークスという会社の副会長だった人物だ」と教えてくれた。「問題は、次のCEO候補が決定するまで、リングラーがハードの推し進めた改革路線を継続できるかどうかだな」と友人は指摘した。

*Spencer F. Kattのコラムは毎週月曜日(月曜日休日の場合は火曜日)の更新予定です

[英文記事]
Rocky VI

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