Spencer F. Katt

MSとグーグルの健康管理サイトは競合しない

2008/03/10


 いやはや、まるで腸捻転(ちょうねんてん)を起こしそうになるほど株式市場が激しく乱高下している。吾輩の投資ポートフォリオも、ここにきて着実にダメージを受けつつあるようだ。景気後退を懸念する悲観的なニュースが続き、老後の頼みに温存するグーグルの株価さえも、急速に精彩を失い始めた……。

 が、吾輩は長期投資家である。ここはひたすら将来の株価上昇を信じて、じっと持ちこたえるつもりだ。じつをいうと、グーグルの多様な企業活動に関して、電子メールで届いたアナリストの見解が吾輩の崩れかけた信念をかろうじて支えてくれた。

 グーグルは2月22日、新しい健康管理ポータルのテスト運用でクリーブランド・クリニックと提携したと発表した。このサイトは、ユーザーが個人健康記録(PHR)を保存しておけば、どこからでも簡単にアクセスできるようにするものだ。一見、マイクロソフトのHealthVaultと正面から競合するサイトであるように思える。

 ところが、「そうでもない」と主張するのは、ダイアモンド・マネジメント&テクノロジー・コンサルタンツのアナリスト、アンドリュー・ロックリンだ。両社は、PHRのジレンマに異なるアングルからアプローチしており、「いずれは相互に補完する関係になる」と同氏は指摘する。マイクロソフトの場合、価値連鎖の“上流”でデータプロバイダと、“下流”でサービスプロバイダと手を組んだ。同社の目標は、そうしたパートナー企業と連携し、消費者をひきつけるプラットフォームを提供することにある。

 一方、グーグルは消費者指向のPHRで、新しいサービスを展開する考えだ。理論的にグーグルの健康管理ポータルは、仲介型といえるマイクロソフトのHealthVaultを補完するものになり得るらしい。つまり、「マイクロソフトとグーグルの決定的対立が、しばらく先送りされるわけだな」と、吾輩はしたり顔でつぶやいた。

 そのあと、レビック・ストラテジック・コミュニケーションズの危機管理マネージャ、ジーン・ブラボウスキーの最近のコメントに吾輩は注目した。FacebookやMySpaceなど、近年隆盛を極めたWeb 2.0パワーの消費者サービスに、若干陰りが見え始めたというのだ。例えば、Facebookは会員が自分のプロフィール情報を簡単に削除できないことが判明し、ユーザーから集中砲火を浴びた。同社は現在、この問題の解決に取り組んでいるが、ユーザーから大きな不満の声が上がったのは、ここ数カ月で2度目だ。前回の問題は、Facebookの友人に自分の知られたくない購買行動まで公開されてしまうBeacon広告システムへの苦情だった。

 “ニューメディア”企業の担当者たちは若さや経験不足ゆえに、こうした顧客の不満に適切に対応することができない、とグラボウスキーは批判する。だが、ちょっと待て。新しいオンラインメディアの試行錯誤については、多少大目に見てやっていいのではないか? にしても、ニューメディアってなんだ? グラボウスキーによると、毎日何百万もの人々が情報を得るニュースメディアには、ニューヨークタイムズやワシントンポストなどのオールドメディアと、FacebookやMySpaceなどのニューメディアがあるという。

 そして彼は、今日、タイムズやポストがアカウンタビリティの標準とみなされているように、将来、ニューメディアの読者が一定のクリティカルマスに達し、それなりに社会的重要性を帯びるようになれば、多くの人々がアカウンタビリティの標準としてそれら認識するようになるだろう、と予測している。

[英文タイトル] Market bears chase Grimalkin

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