One to Oneを超えて――ブロードビジョンの挑戦

2001/4/14

 ブロードビジョンは5月中にJ2EE(Java2 Platform Enterprise Edition)に完全対応した同社の主力製品「BroadVision One-To-One Enterprise」の最新バージョン、6.0を販売する。

 「BroadVision One-To-One Enterprise」はアプリケーションのプラットフォーム。新バージョンで新しくなった点はJ2EEをサポートし、オープン性、拡張性を強化したことだ。J2EE対応アプリケーション・サーバ「BEA WebLogic 6.0」のBEAシステムズと提携した。J2EEには、EJB(Enterprise JavaBeans)、JSP(Java Server Pages)、Java Servlet API(アプリケーション・プログラミング・インターフェイス)などの技術が含まれる。その他、JavaScript技術、C++、COM、CORBA、XML、WAP、LDAPなどにも対応した。

 同社では現在、新製品上で動作する「BroadVision InfoExchange Portal(IEP)」などのアプリケーションの新バーションへの対応を進めており、数カ月中に発表される見通しだ。前バージョン(5.5)との互換性もあり、変更の必要はほとんどないという。

 米ブロードビジョンは「BroadVision One-To-One Enterprise 6.0」を3月30日に発表、日本では5月25日に販売を開始する予定だ。販売に先駆けて来日した米ブロードビジョンの日本およびアジア・パシフィック地区のプロダクト・マーケティング・ディレクターT.J. Wu氏に、同社の戦略、日本市場へかける意気込みを聞いた。

セルフサービス型CRM

米国でのライバル、Vignette、ATGなど、今のところ日本ではプレゼンスが薄い。だが今年に入りブルー・マルティーニが進出するなど、油断はできない。「日本では引き続きパートナー戦略を進めていく」とWu氏

 “One-To-One”という言葉とともにパーソナライゼーション技術を持つアプリケーションで有名な同社は、BtoCのアプリケーションベンダーというイメージが強いが、売上の40〜50%がBtoB関連という。「InfoExchange Portal」や「MarketMaker」などの製品がある。

 「企業システムの課題は、いかにして外とつながるか。SFA、コールセンターなどのフロントオフィス機能により顧客や取り引き先との接点を持てるようになった。だが、われわれはもっと先を見ている」とWu氏は言う。

 「将来的には、顧客やパートナーが自発的にアクセスできるようになる“セルフ・サービス”のチャネルを持つことが必要になる。これには、BtoC、BtoBのほか、BtoE(Business to Employee)も含まれる。われわれはCRM(Customer Relationship Management)に対し、拡張(Extended)という言葉を用い“ERM(Extended-Enterprise Relationship Management)”ベンダーと名乗っている。将来的には企業の全売上の80%がこのチャネルから計上されると予想している」(Wu氏)

 現在、コールセンターでエンジニア1人が管理できる顧客数は600〜2000人といわれている。セルフサービスにより顧客が自分で欲しい情報を入手できるようになれば、コストは飛躍的に削減する。従業員でも同じことがいえる。“第3世代のCRM”、セルフサービス型CRMの利点はそれだけではなく、ビジネスの規模に応じて柔軟に対応する拡張性も得られるという。

 「われわれのミッションは複雑性を排し、ビジネスの変換に柔軟に応じられる製品を提供すること」とWu氏。今後の課題は、サプライ側、企業内でのやりとりをカバーすることだという。サプライ側を補強するため、すでにi2テクノロジーズとの提携を発表した。

ビジネス・テリトリーはアプリケーションだけ

 現在、BEAやIBMなどのWebアプリケーション・サーバとはパートナーでもあるが、同時にライバルにもなりうる。「われわれが目指すのはアプリケーション・システム・プロバイダー。アプリケーション・サーバのベンダーはその下のプラットフォームを提供しており、この先、違いはもっと明確になってくるだろう。例えば、BEAのCEOは“アプリケーションのOSになる”と宣言している。われわれはアプリケーションでしかビジネスをしないつもりだ」

 「タイム・ツー・マーケットと同じにリスクを最小限に押さえることが企業の課題だ。日本ではスクラッチから構築する手法を好むようだが、それでは稼働に時間がかかるし、リスクも大きい。わが社の製品では豊富なテンプレートを用意し、さらにカスタマイズも可能だ」

 米国経済が難局を迎えた今、淘汰はさけられない。同社も生き残りをかけ、質の高い製品を先行して投入していくとしている。「One to OneはBtoCだけではなく、BtoB、BtoEでも不可欠な技術だ。われわれのゴールはERMを提供すること。One to Oneはわれわれのビジョンを実現するイネーブラー、つまり1部品にすぎない。われわれはこれまでのOne to Oneを超えたところにビジネスの土壌を移した」(Wu氏)。

(編集局 末岡洋子)

[関連リンク]
ブロードビジョン
「BroadVision One-To-One Enterprise 6.0」発表資料

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