アウトソーシングを進化させるアクセンチュア

2002/1/19

 アクセンチュアが、アンダーセンコンサルティングからコンサルティング事業を切り離し、新社名でスタートして1年が経過した。「(アクセンチュアという)社名の浸透率は6〜7割に達した」という同社代表取締役社長 森正勝氏は、今後の戦略として、アウトソーシングに注力して行くことを明らかにした。同社は今回、新世代のアウトソーシングとして、単機能にとどまらない包括的なアウトソーシングサービスの提供に踏み切る。

アクセンチュア 森正勝社長 「日本で“働きたい会社”のトップ5入りを目指す」とも。特に「女性社員に働きやすい環境を提供したい」と語る

 アウトソーシング事業は以前より成長分野とされており、SI事業者のみならずIBMなどのITベンダも注目を寄せているビジネス。後発ながら日本でも市場が立ち上がり、年平均成長率は10%弱ともいわれている。コンサルティング企業としてのイメージが強いアクセンチュアだが、アウトソーシング事業は10年以上前から手がけているという。現在、225社の顧客を抱え、全収益の約20%を占めている。日本でも、1996年に開始、顧客社数は5社に上る。

 今回、重点注力分野としてアウトソーシング事業を展開するにあたり、同社の提供するアウトソーシングを「テクノロジー・インフラストラクチャ」「ビジネス・アプリケーション」「ビジネス・プロセス」「ビジネス・トランスフォーメーション・アウトソーシング(BTO)」の4層に分けた。新たに加わったのがBTOとなる。

 BTOは、同社が蓄積してきた経営コンサルティングやSIのノウハウや知識により生み出した包括的経営改革手法。全体としてみた企業の戦略的価値の向上を目指すもの。BTOがこれまでのアウトソーシングと異なる部分は、最低実現価値を保障した形で事業価値連動型の契約である点。つまり、個々の機能のアウトソーシング・サービスを提供するのではなく、各種のサービスを複合的に組み合わせ、顧客のビジネスそのものの最低限の成果(改善効果)を約束することになる。成果の評価基準は契約により異なるが、同社によれば、時間・金額、顧客満足度の向上といった定量的なもののほか、他部門との連携といった定性的なものもあり得ると予想している。海外では、すでに英小売業大手のセインスベりー、米AT&Tなどが契約を結んでいる。

 同社では、BTOをはじめとしたアウトソーシングの展開にあたり、専任チーム結成などの対策を行っていく。まずは、BTO専任部隊として新たに15名体制を組んだ。この15名はいずれもトップクラスのコンサルタントで、「最大の投資となった」とBTOを統括する同社パートナー 大上二三夫氏は述べる。また、今後も社内・外、国内・外を問わず優秀な人材を積極的に取り込んでいく予定ともいう。また、提携を積極的に活用したり、出版、セミナーなどの啓蒙活動も推進して、まずは認知と理解を図る。今後3年で受注金額1000億円を目指す。

 同社の描くアウトソーシングはかなり先進的なもので、単純な機能すら、自社で保有・カスタマイズする傾向が強い日本のユーザーにすぐになじむだろうか、という疑問はわく。だが、きびしい経済環境に加え技術の変化が早い今日、アウトソーシングという形式への企業の関心は高く、選択肢の1つになりつつあるのも事実だ。同社をはじめアウトソーサーは、企業にその仕組みと必要性、成果をわかりやすく示すことで、需要を開拓していくことがまずは必要だ。

(編集局 末岡洋子)

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