標準仕様のロイヤリティフリー化に向けたドラフトをW3Cが発表

2002/2/28

 HTMLやXMLなどの標準化を行っているWorld Wide Web Consortium(W3C)は、同団体が勧告する標準仕様の利用を、基本的にロイヤリティフリーにするというドラフトを発表した。W3Cは昨年から、標準仕様の中に企業などが取得した特許技術が含まれる場合、特許利用料を企業が徴収することを認める方針を検討していた。しかし今回のドラフトでは、特許料の徴収が今後の選択肢に含まれないことを明確にしている。

 W3Cは昨年8月16日に、標準技術における特許の扱いに関する最初のドラフトとして「W3C Patent Policy Framework」を発表。このドラフトでは、同団体が策定した標準技術の中に企業の保持する特許技術が含まれる場合、その特許を保持する企業が、標準技術の利用者に対して「妥当かつ非差別的」に特許使用料を課すことを認める方針を明らかにしていた。

 Reasonable and Non-Discriminatory terms(RAND)と呼ばれたこの特許料徴収の選択肢に対しては、最初のドラフトを基にした議論の過程で、「標準技術はロイヤリティ・フリーであるべきだ」という多くの反対意見が提出された。W3Cはあらためてオープンソースの専門家などを交えて、特許料徴収の方針について見直すことになった。その結果今回のドラフトでは、W3Cで仕様策定のワーキンググループに参加する企業は、ロイヤリティ・フリーでライセンスを提供する旨を明らかにしなければならないとされている。

 W3Cはこれまで、HTMLやHTTPといったインターネットの発展に大きな役割を果たした標準技術を策定してきており、現在でもXMLやWebサービスといった重要な技術の標準化を担っている。W3Cによれば、昨年8月のドラフトが発表されるまで、標準技術と特許の関係についての明確な方針が明らかにされたことはなかったという。しかし今回のドラフトによってW3Cの標準技術はロイヤリティ・フリーである、という方針が明らかになったことは、インターネット技術の今後のあり方にも大きな影響を与えるだろう。

(編集局 新野淳一)

[関連リンク]
W3Cの発表資料
W3C Patent Policy Framework

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