[Interview] Googleの新広告は「非常に好評」、自信の背景は

2002/9/21

 Google日本法人は中小企業のショップ向けにオークション型の新広告「アドワーズ広告」を本格的に始めた。大企業向け広告は昨年から始めていて、広告商品が出そろうことになる。Googleは日本の広告市場に対してどのような戦略を描いているのか。Googleの現状と今後を、米Googleのインターナショナル プロダクト マーケティング マネジャーのリチャード・チェン(Richard Chen)氏と、インターナショナル プロダクト マネジャーのアンジェラ・リー(Angela T. Lee)氏に聞いた。


――アドワーズ広告の特徴は

米Googleのインターナショナル プロダクト マーケティング マネジャーのリチャード・チェン氏

リチャード氏 セルフサービスで、質の高い広告を出すことができる点だ。管理機能が充実していて、パートナーのポータルサイトに広告を出稿できる。Googleのユーザーにとっては、電話帳を利用するのに似ている。電話帳を利用する場合、電話番号を直接調べるのではなく、掲載されている広告を見て電話をかけることが多い。Googleの基本理念はユーザーを最優先すること。キーワードによって適切な広告が表示されるアドワード広告は、ユーザーにとっても有効だ。

アンジェラ氏 もう1つの特徴は日本企業でも海外に向けて広告を出稿できること。積極的に海外展開をしているGoogleならではのサービスだ。

――アドワーズ広告は2カ月前から国内でサービスを提供している。すでに数百社が広告を出稿しているというが、反応はどうか

リチャード氏 非常に好評だ。小さな会社でもアドワード広告を利用することで、質の高い広告を出すことができる点が人気になっている。広告費の問題で通常は出稿できない大手のポータルにも、アドワード広告ならば出稿できるのも、中小のショップなどに受けている。大きな手ごたえを感じている。

インターナショナル プロダクト マネジャーのアンジェラ・リー氏

 アドワード広告をうまく活用しているのは、小規模でニッチな業種の企業だ。吉祥寺の不動産会社なら、「マンション 吉祥寺」など、広告が表示されるキーワードを絞り込んで設定することで、ページの上位に広告を表示させることができる。必要なユーザーに広告を確実に提供できるのが、人気の秘けつだろう。

――アドワーズ広告では、クリック率が0.5%を下回ると掲載されない。それは、広告主にとって厳しい数字ではないか

リチャード氏 出向する広告内容が、ユーザーが求める内容と合致していれば、決して高い数字ではない。現在のWebの広告は邪魔なものという認識があり、ユーザーから乖離(かいり)しているのではないか。日本の広告主の中にも広告テキストを工夫して、数パーセントのクリック率になる広告も多い。

アンジェラ氏 先行してスタートした米国では、数十のキーワードを設定して、選択の幅を広げている企業が大半で、またフレーズを指定する場合が多い。“Chiristmas”などの季節に関連するキーワードを設定して、ユーザーが求める広告にフィットさせようとしている企業もある。日本もしばらくすれば、米国のようにアドワーズ広告の“活用のコツ”がわかるようになるだろう。

――日本のネット広告は市場が伸び悩んでいるが、ほかの検索サイトやポータルの広告に勝てるか

リチャード氏 Googleならではの強みがある。Googleには世界で1日に1億5000万回以上のサーチがあり、トラフィックは日々増加している。広告収入は増えているし、日本でも提供しているプレミアム・スポンサーシップ広告の継続率は90%を超えていて、広告主の支持を得ている。ネットの広告では動画を使ったり、ポップアップ広告を使う場合が多いが、ユーザーの支持を得ているとは思えない。アドワーズ広告はテキストだけ。広告主やGoogleの収益構造を考えると一番望ましい広告だ。

――日本のネットビジネスの現状をどう見るか。日本でのビジネス戦略は

リチャード氏 日本のネットビジネス市場は有望だ。Googleの利用でも、日本語は英語、ドイツ語に次ぎ3位だ。本格的にEコマースが立ち上がるのはこれからだろう。市場の成熟が進んできて、ビジネスを行ううえでいい状況になってきたといえる。特に携帯電話を使ったGoogleの利用に注目している。Googleのワイヤレス版は世界中で展開しているが、最もユーザーを集めているのは日本のiモード向けGoogleで、1日10万人のアクセスがある。ワイヤレスを通じてもユーザーに最良のサービスを提供して、ユーザーの認知度を向上させたい。

 私たちのビジネスの基本は、ポータルに提供するウェブサーチと、企業サイト内を検索するサイトサーチ、それに広告ビジネスだ。米国では、さらにイントラネット内の情報を検索する専用のアプライアンスを販売しているが、日本でも来年に発売する予定だ。日本に適した形で、戦略を練っていきたい。

 Googleはイノベーションとテクノロジーの会社だ。ビジネスをやっていくうえでのコスト構造はしっかりしていると思う。ユーザーを第1に考えて、ポータルなどパートナーの要求は満たすことができると自信を持っている。


 Googleのスタッフからは新広告への大きな自信が感じられた。これはGoogleがネットのインフラとして日本でも完全に認知された、という自負からだろう。Googleにとっては本格的なサービス展開の下地が完成したともいえる。英語版のGoogleでは、さまざまな新しいサービスが始まっている。今回取材したスタッフは、日本での開始時期などについては明言しなかったが、これまでの流れを見ると、早期に始まるのは間違いなさそうだ。

(垣内郁栄)

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