UML、RUP創始者を招いたNTTコムウェアの改革への意思

2002/11/9

米ラショナルソフトウェア フェロー ジェームズ・ランボー(James Rumbaugh)氏
米ラショナルソフトウェア エバンジェリスト テリー・クアトラニ(Terry Quatrani)氏
米ラショナルソフトウェア ヴァイスプレジデント&ジェネラルマネージャ ウォーカー・ロイス(Walker Royce)氏
NTTコムウェア ビジネスイノベーション本部 担当部長 堂山真一氏
 NTTコムウェアは11月8日、プライベートイベント「VALUE INNOVATION 2002」を開催した。「革新による価値の創造」をテーマに、ビジネス分野、テクニカル分野を問わず幅広い内容のワークショップを展開した。ソフトウェア開発環境の実践を行うトラックでは、アライアンスを締結しているラショナルソフトウェア(以下ラショナル)の開発ツールを用いたハンズオンセミナーが行われたが、「定員60人のセミナーに600人を超える応募があり、抽選で厳選しなければならなかった」(同社)ほどの盛況ぶりをみせた。

 ラショナルとの密接な関係もあり、特別講演には、UMLの創設者の1人である米ラショナルソフトウェアのフェロー ジェームズ・ランボー(James Rumbaugh)氏やRUPの創設者であるヴァイスプレジデント&ジェネラルマネージャ ウォーカー・ロイス(Walker Royce)氏、Rational Roseのエバンジェリスト テリー・クアトラニ(Terry Quatrani)氏といったオブジェクト指向開発の分野で著名な人物が登壇し、次世代のソフトウェア開発に関する最新議論を展開した。

 ランボー氏の講演テーマは「オブジェクト指向:20世紀&21世紀」。ランボー氏は、現在ソフトウェア開発の現場で研究中のプロセスとして、アスペクト指向プログラミング、エージェント、パターン・マッチングの3つを挙げた。「いずれも、現在は研究段階であり、実践的な開発に適用するのは難しいだろう。しかし、5年もすれば主流となる可能性はある」と指摘した。アスペクト指向プログラミングは、簡単に言えば、システムを複数の局面(アスペクト)に分割して開発するプログラミング手法。互いのシステムが独立し合いながらも、影響を及ぼし、全体のシステムとして機能する。しかし、「優秀なアスペクト指向言語、あるいは優秀なアスペクト指向のコンパイラが存在せず、いまはまだ、現実的とはいえない」とした。

 RUPの創始者であるロイス氏は、「経営者・管理者のためのソフトウェアプロジェクト管理21世紀に向けた統一アプローチ」と題し、ウォーターフォール型の開発プロセスから反復型の開発プロセスに移行するメリットについて講演した。もちろん、開発方法論としてはRUPを想定した講演である。詳細なデータを引用しながら、ウォーターフォール型と反復型の開発工程を比較し、反復型開発の効率性のよさを強調した。またアジャイルソフトウェア開発のXPとRUPとの類似性にも触れ、「テストファースト、ペアプログラミングなどの要素をみる限り、XPとRUPはかなり似ている。XPはRUPのサブセットと言ってもいい」と述べた。

 NTTコムウェアでは、「開発プロジェクトにRUPを本格導入し、成功させた」(NTTコムウェア ビジネスイノベーション本部 担当部長 堂山真一氏)という経緯がある。今後同社では、RUPを同社の標準開発手法として全社展開する方針を定めており、今回のプライベートイベントは、改革を指向する同社の強固な意思表示ともいえる。

(編集局 谷古宇浩司)

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