[Justsystem Knowledge Management Forum 2003開催]
日本企業が迎えるナレッジの“2010年問題”とは

2002/11/13

ジャストシステムの代表取締役社長 浮川和宣氏

 蓄積したノウハウを生かし、企業の成長につなげることができるか。11月12日、13日に開かれているジャストシステムのイベント「Justsystem Knowledge Management Forum 2003」の初日に、ジャストシステムの代表取締役社長 浮川和宣氏、SAPジャパン 代表取締役社長 藤井清孝氏が基調講演を行い、企業がナレッジマネジメントを活用することの重要性を訴えた。

 浮川氏は日本企業に降りかかっている問題として、生産拠点が中国など海外に流出していることや企業の中核となってきた団塊の世代が2010年ごろに一気にリタイヤする“2010年問題”などを挙げ、「ナレッジの流出や消滅が心配されている」と説明。「蓄積したノウハウを活用し、高度な知識産業へ展開することや、成功体験、ノウハウ、体験などの“見えない資産”を可視化、共有することが必要」と訴えた。

 企業はこれまでノウハウや経験を資産として残す場合、「書類にしたり、単に人の頭の中に残したきた」と浮川氏は説明。しかし、情報が多すぎて、知識として活用できなかったり、情報を活用するスタッフによってばらつきが出るなど、効率的な活用が困難だったという。そのため、情報を使いこなすためには「コンピュータを利用した情報管理と活用が必須。ナレッジマネジメントを使わずに企業経営はありえない」と述べ、「ナレッジマネジメントを通じて企業を経営することで、企業の将来像が見えてくる」と説明した。

 SAPの藤井氏は浮川氏の提言を引き継ぐ形で講演。ナレッジマネジメントが抱える問題として「データ中心の発想になり、使われないデータベースの残骸が企業のあらゆるところにある」と説明した。藤井氏はデータ中心から人中心のナレッジマネジメントに転換すべきだと述べて、「人中心のナレッジマネジメントに転換するには、企業の業務プロセスとナレッジを連携させることが重要。そのことでナレッジの本当の価値が出る」と語った。

 藤井氏はビジネスプロセスに沿ったナレッジマネジメントを進めることで「ナレッジ自体で事業化が可能になる」と説明。ナレッジ自体を事業化した例として、不動産を持たずに高度なノウハウだけでホテル経営を行う海外の企業や、工場を持たずに設計だけを行う半導体企業を挙げた。藤井氏によるとソフトウェア産業も「ナレッジの塊」。欧米のような世界的ソフトベンダが日本にないのは「ナレッジを生かしていないからでは」と疑問を呈した。

 日本企業全体への提言として藤井氏は「日本にはすばらしいナレッジがありながら現場に埋もれている。ITを使いナレッジをパッケージ化して、役立つ情報に昇華させる必要がある」と述べ、「企業の組織を変えるのではなく、運営を変えることが重要」と来場者に訴えた。

 「Justsystem Knowledge Management Forum 2003」は大阪でも11月21日に開かれる。大阪では浮川氏とマネックス証券 代表取締役社長CEO 松本大氏が基調講演を行う。

(垣内郁栄)


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ジャストシステム
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