eラーニング開発に“統合管理”の視点

2003/7/30

 日本オラクルとスマートリンクは、eラーニングシステムの開発で提携すると発表した。両社のシステムを組み合わせることで、人材育成を必要としている企業に対して、コンサルティングから導入、人事管理システムとの連携など、総合的な人材育成ソリューションを提供できる、としている。

 eラーニングのシステム開発は、eラーニングを導入する目的の明確化から、実際の教育コンテンツ開発、システム開発、人事管理システムへの反映など効率的な統合管理が不可欠。オラクルとスマートリンクの協業では、オラクルの「Oracle E-Business Suite」の人事管理システムを使って、人材管理の統合基盤を構築。Oracle E-Business Suiteに含まれるモジュールである「Oracle iLearning」でeラーニングを利用した教育や研修を統合的に管理する。

 スマートリンクは、Oracle iLearningを活用したeラーニングシステムを効率的に開発するためのコンサルティング手法「SmartLink Learning 7Steps for Oracle iLearning」を新たに開発した。企業の人材戦略に適合する教育・学習目標の設定や学習計画の策定などコンサルティングサービスを提供できる。これらのシステムを組み合わせることで、効果的な人材教育とシステム開発期間の短縮、効率化を実現できるという。

 両社は今後、人材育成ニーズが高い製造業や金融業、流通業などをターゲットに共同でプロモーションや販売活動を展開する。今後1年間で15社以上の受注獲得を目指すという。

 eラーニング関連のイベント「e-Learning WORLD 2003」が7月30日〜8月1日に開催されていることから、eラーニングに関する発表が相次いだ。野村総合研究所(NRI)とNRIラーニングネットワークは、eラーニングのトータルソリューション「fortissimo」(フォルテシモ)の提供を開始したと発表した。フォルテシモはeラーニングのコンテンツ開発やシステム開発、運用業務を体系化したソリューション。集合研修や通信教育、Webサイトのコミュニティなどとも連携させることができるという。NRIグループ社内では2001年から自社製作コンテンツによるeラーニングを実施していて、フォルテシモは、その実績を生かして開発された。

 また、中国のソフトベンダ、NEUSOFT(ニューソフト、中国名:東軟集団)は中国語、日本語、英語の3言語でIT技術や英語などを学ぶことができるWebサイト「NEUSOFT オンライン大学」を開設したと発表した。Webサイトにアクセスし有料の会員登録をすることで、コンピュータ技術やサーバ管理、ソフト開発、システム構築などのIT技術と、英語を学ぶことができる。英語学習では音声識別機能を使って正確な発音を訓練できるという。

 ニューソフトは中国国内にIT専門の4年制大学を2校運営し、9月には3校目を開設予定。ニューソフトでは「eラーニングに適する広大な国土を背景に、ニューソフトの教育事業はリアルからバーチャルへと新たな段階に踏み出す」としている。今後5年で50万会員の獲得を目指す。

(垣内郁栄)

[関連リンク]
日本オラクルの発表資料
スマートリンクの発表資料
野村総合研究所の発表資料
NRIラーニングネットワーク
ニューソフト・ジャパン
e-Learning WORLD 2003

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