次のマイクロソフトを探せ! JPSAが中小ソフトベンダを支援

2004/4/6

 社団法人日本パーソナルコンピュータソフトウェア協会(JPSA)はパッケージソフトを開発する中小ソフトベンダを支援するため、マイクロソフトなどJPSAの大手会員企業がスポンサーとなって開発ソフトの提供やトレーニング、コンサルチングなどのサポートを提供する支援プログラムを開始すると発表した。JPSA専務理事の山内敏嗣氏はパッケージソフトについて「2003年度の市場規模は7300億円。これを2007年度には1兆円産業にしたい」と説明。「そのためには中堅・中小のソフトベンダによる市場活性化が必要」と支援プログラムの実施理由を説明した。

JPSA専務理事の山内敏嗣氏

 支援プログラムの対象は、中小ソフトベンダで開発済みの製品を持っている企業。製品は販売が前提でフリーソフトは対象外。オープンソースで開発されたソフトは個別に検討する。支援を行うスポンサー企業の技術や製品の活用、連携を取れることが選定の条件となる。支援を受けられるのはJPSA会員だけ。応募は非会員でも可能だが、選定された場合はJPSAへの入会が条件となる。

 スポンサーとなったのはマイクロソフトのほかに、ウイングアーク テクノロジーズ、ウッドランドグループ、オービックビジネスコンサルタント、大塚商会、トレンドマイクロ、日本ヒューレット・パッカード、ピーシーエー、フォトロン。マイクロソフトはサーバ製品の無償提供、技術支援、カンファレンス、技術セミナーなどへの招待、マーケティング協力などでソフトベンダを支援する。HPの支援はハード機器の貸し出し、ソリューションセンターの利用など。各社の支援内容はプログラムの応募要領(PDF)で確認できる。応募期間は4月5日から26日まで。書類とソフトベンダのヒアリングで審査し、6月末までに決定する。支援は1年が基本。

 JPSAは支援プログラムの1回目として3〜5社程度を全体で支援したいとしている。ただ、全体で選定するプログラムとは別に、スポンサー企業が自社との連携を考えて個別にソフトベンダを支援することも可能となっている。JPSAでは第1回目の応募状況などを見て、第2回目の開催を検討するとしていて、「うまくいけば今年度内にもう1度開催したい」と話している。

 今回のJPSAの支援プログラムの内容からは、スポンサー企業に都合がいいソフトベンダを育成することはできても、国際競争力が高い独立系のソフトベンダの発掘は難しいという印象を受けた。だが、スポンサー企業の支援内容は各社で異なっている。支援をうまく利用して世界で勝負できるソフトベンダが生まれる可能性もあるだろう。

(編集局 垣内郁栄)

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JPSAの発表資料

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