IT不況はパッケージ製品にとって追い風だ、インフォテリア

2003/2/4

 XML専業ソフトハウスとしてスタートし、設立6年目に入ったインフォテリアは2月3日、2004年度の事業戦略を発表した。同社代表取締役社長 平野洋一郎氏は、現在のIT不況はむしろ同社のビジネスにとって好条件だという認識を示した。

インフォテリア 代表取締役社長 平野洋一郎氏

 「企業業績は回復しているという報道もあるが、これは企業の構造改革による利益出しによるもので、IT投資は引き続き厳しい状況が続いている。新規案件は予算の3〜4割程度にすぎず、残りは保守管理に回っている」と分析した。このように低位で推移する予算傾向は、従来型のシステム開発に大きなインパクトを与えているというのが平野氏の見解である。

 「大きな予算を投入して、自社専用のシステムを開発する既存の開発スタイルは実現しにくくなっている。それに代わって、パッケージ製品の採用でコストを下げようという動きが台頭してきた」(平野氏)。同社の主力製品「ASTERIA 3」はアプリケーション間のデータ統合をサポートするパッケージ製品で、過去1年で採用企業が20社から70社へと拡大したという。

 同製品は初期バージョンでRosettaNetなどXMLを基盤としたBtoBプロトコルのサポートを前面に打ち出していたが、最近では汎用プロトコルへのニーズが高まってきた。これを取り込むため、ASTERIA 3の強化策として「レガシーシステム」「EDI」「Notes/Domino」に対応するアダプタの追加を表明した。より汎用的なアプリケーション統合環境を提供し、「2004年は150社の採用を目指す」(平野氏)と強気の事業目標を打ち出した。

 さらに、2004年後半の市場投入を視野に開発が進められている新製品「MIST」(開発コード名)の概要も明らかにした。これは電子メールベースでの情報統合を目指すクライアント製品で、サーバベースのASTERIA 3とは一線を画す。想定ユーザーは中小企業、あるいは大企業の部門となり、サーバ製品より安価なツールを提供することで、ローエンドの市場を拡大させる方針だ。

 平野氏は、ASTERIA 3の競合製品に対する高い受注率を強調しつつも、「本当の競合はすべて手組みの従来型開発だ。パッケージ製品は初期コストが高いため手組みと変わらない、と判断されがち。だが、ASTERIA 3はノン・プログラミングでの開発を実現しており、運用フェイズに入ってからの仕様変更では、手組みシステムより低コストかつ迅速に対応できる」と語り、長期的な運用コストの削減効果をアピールした。

 ASTERIA 3は開発ツール上にアイコンをドラッグ&ドロップで並べていくグラフィカルな開発環境を提供する。各アイコンは実行コードを視覚化したもの。アイコンを並べ終わった段階で即稼働でき、設計変更も容易だ。このような開発スタイルを同社では「Graphical Language」と呼び、将来的にはJavaやC++などの開発言語に取って代わるという未来像も示した。

(編集局 上島康夫)

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