本当の勝負は買収後に始まる、SSAグローバル

2004/8/28

日本SSAグローバル 代表取締役社長 細井洋一氏

 8月1日付で日本SSAグローバルの代表取締役社長に就任した細井洋一氏は8月27日、“新生”日本SSAグローバルの2005年度経営戦略を発表した。当面の課題は、2003年に本社が買収したオランダのERPベンダ「Baan」および米国の倉庫管理/ロジスティックス管理の製品ベンダ「EXE Technologies」の日本法人(イーエックスイーテクノロジーズ)の実際的な経営統合、組織再編である。企業基盤の強化やブランド力の向上、社内システムインフラストラクチャの整備といった社内体制の再構築を急ぎながら、日本国内におけるERP市場での生き残りに力を入れていく。サン・マイクロシステムズの営業畑を歩んできた細井氏は、自身がこれまで培ってきた営業ノウハウを注ぎ込みながら、新生SSAグローバルの組織づくりを進めていく方針だ。

 米本社の戦略は、「市場シェアを買収によって拡大し、顧客との関係を強化することで顧客シェアを高める」というもので、その戦略に沿って、BaanやEXE Technologiesをはじめとした積極的な企業買収を展開してきた。しかし、買収によるシェア拡大戦略の難しさは、買収後の組織の構築にある。米本社は今後も積極的な買収攻勢を継続していく意思を持っているため、日本法人としては、さらなる人員拡大を見込んだ「柔軟性・拡張性に富んだ組織作り」(細井氏)をしていかなくてはならない。

 販売戦略を練るのもなかなか難しい課題である。従来、直接販売主体で営業を展開してきた日本SSAグローバルだが、買収によって統合した企業の製品は必ずしも直接販売で売られてきたわけではない。パートナー網をいかに構築するかは今後の同社の運命を決める重要な施策でもある。

(編集局 谷古宇浩司)

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