マーキュリー、100万ドル規模の案件獲得数20件

2004/12/9

米マーキュリー・インタラクティブ マーケティング担当シニアバイスプレジデント スー・バーサミアン氏

 米Standish Groupの調査によると、ソフトウェア開発プロジェクトの約30%が頓挫(とんざ)し、10件中9件の案件が当初のスケジュールからずれ込んでいるという。さらに同社と米ガートナー・グループとの共同調査では、ソフトウェア開発プロジェクトの50%が予算超過に陥っている。開発プロジェクトの失敗にはさまざまな要素が絡むものだが、よく指摘される要因としては「プロジェクト管理手法の欠如」「開発手法・テスト手法の欠如」が挙げられる。

 しかし、12月1日に開催された「第23回 ソフトウェア生産における品質管理シンポジウム(主催:財団法人 日本科学技術連盟)」でも指摘されたことだが、プロジェクトの失敗は単に開発段階の手法の不在だけにあるのではない。実は、開発工程が終了し、システムが稼働し始めた後の「運用管理手法」や「業務プロセスの管理手法」、さらにはITガバナンスの確立といったさまざまな要素が欠如した状態でシステムの開発作業に着手してしまう性急さ、プロジェクトに対する稚拙な認識と対応こそが深刻な問題といえる。

 このような問題意識に対し、米マーキュリー・インタラクティブのようなツールベンダは、負荷テストやパフォーマンス・チューニングなどを自動化するツールの必要性を説く。実際、市場環境は確かにマーキュリーのような負荷テストツールを扱う企業にとっては追い風となっている。欧米では企業のコンプライアンス(法令遵守)を求める動きが活発化してきており(例えば「Sarbanes-Oxley」、銀行業界では「BASEL II」、医療業界では「HIPAA」など)、基幹システムの運用管理手法がこのような法令遵守の傾向と同期していることは確かである。

 米マーキュリー・インタラクティブでも当然、この状況は知悉(ちしつ)している。同社 マーケティング担当シニアバイスプレジデント スー・バーサミアン(Sue Barsamian)氏は(マーキュリーの)好業績の要因を市場環境にあるとしている。すなわち、現在ほどITシステムの品質が求められる時代はなく、だからこそ、マーキュリーの製品が売れるのだ、と。同社の2004年第3四半期(7月〜9月)の売上高は前年同期比31%増の1億6540万ドル、経常利益は2120万ドルという好調な結果を残した。特に、100万ドル以上の大規模案件を20件獲得している。

(編集局 谷古宇浩司)

[関連リンク]
マーキュリー・インタラクティブ・ジャパン

[関連記事]
問題はソフトウェアの品質、だけではない (@ITNews)
“マイヤーズの呪縛”を解き放て (@ITNews)
マーキュリー、ライバルはテストをしないという古い慣習 (@ITNews)
「“動けばいい”ではダメ」テストと監視の必要性を説くマーキュリー (@ITNews)
テストとモニタリングで安全なシステム運用とリスク削減を実現 (@ITNews)

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)