日本版SOX法施行は経営を見直す良いチャンス?

2005/10/26

 SAPジャパンは10月25日、日本版SOX法への対応を支援するコンプライアンス製品「SAP Compliance Calibarator by Virsa Systems」(以下、SAP CC)の販売を開始すると発表した。SAP CCは、SAPのほとんどの製品に追加して利用することができる。

バーサシステムズ 会長兼CEO兼CTO ジャスビル・ギル氏
  日本版SOX法は、企業の内部統制強化を目的として2008年にも導入される見通しの新しい法令だ。会社法や証券取締法を改正して対応すると予測されているが、米国の企業改革法(Sarbanes-Oxley Act:SOX)と目的や構成が似ているといわれており、SAPジャパン 代表取締役社長 ロバート・エンスリン(Robert Enslin)氏は「米国SOX法に準拠したコンプライアンス製品と、比較的親和性が高いのではないか」と推測した。

 SOX法に準拠するためには、企業は内部統制の妥当性を報告し、証明できるシステム構築が必要となる。一般的に、内部統制システム構築では、「統制範囲の定義」「文書化」「設計の評価」「運用の評価」といったプロセスが含まれる。SAP CCでは、評価サイクルを短縮し、ユーザー権限を分離するルール作成や、ルールを逸脱した設定を特定する機能などを実現し、内部統制のリスク低減に貢献するという。SAPジャパン 代表取締役副社長 COO兼CFO 藤原浩氏は、「米国ではすでにSOX法に関連して250件以上の不正が立件されている。ある意味、2000年問題以上のショックだ。日本のようにインハウスで作成する傾向が強いとブラックボックスができやすく、苦労するだろう。すでに内部統制の対象となるビジネスプロセスに関するデータを有しているERP製品にコンプライアンス機能を追加することで、SOX法対応の最大の武器となる」とコメントした。

 SAPジャパンでは、従来よりmySAP ERPを中核とした内部統制ソリューションを展開してきたが、mySAP ERPの権限管理機能はユーザーに依存する傾向があった。その点、SAP CCを導入すると、不正取引防止の観点が働き、権限設定が適切かどうかを自動的にチェックすることが可能になるなど、「コンプライアンスに準拠しているかどうかを自動的にチェックし、整合性を調査する手間を大幅に省くことができる」(エンスリン氏)点が特徴だ。

SAPジャパン 代表取締役社長 ロバート・エンスリン氏
  具体的には、ユーザー権限やドキュメント管理が「正しく行われているか」や「実際に動いているか」といったチェックを自動的に行う。コンプライアンスに準拠できないような設定があった場合や、変更された場合には担当者へ警告する。SAPのERPと連携し、ERPの設定変更によって、SOX法に準拠できなくなる場合などにも自動的に警告して注意を促すことも可能だ。バーサシステムズ 会長兼CEO兼CTO ジャスビル・ギル(Jasvir Gill)氏は、「すでに200社以上がカットオーバーしている。米国や独、EUの基準に準拠しているほか、カスタマイズも可能なので日本独自の法令にも対応できるだろう。一般的にSOX法に対応するためには、7万人時間と780万ドルのコストが必要だといわれているが、SAP CCを採用したユーザーは、10社中6社がシステム内のユーザー権限ルールを6カ月以内に解消できた」と語った。

 エンスリン氏は、「2005年の当社は、コンプライアンスを最優先課題として挙げている。すでにSOX法が施行されている米国では、対応するために莫大な手間やコストが掛かって苦労する企業も多く。“厳し過ぎる”との声も出ている」という。「しかし、SOX法施行は、企業にとってさまざまな改革を実行する好機ではないだろうか。社内の業務プロセスの見直しや、強固なコーポレートガバナンス、透明な経営内容など、株主価値を上げるための施策の多くを実施する必要が出てくるからだ。SOX法対応を好機として、一気に改革を実行すれば、企業価値も向上するだろう」と語り、SOX法対応をチャンスと見るべきだとの見解を表明した。

(@IT 大津心)

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