垂直統合から水平統合に本格展開、IBMのソフトウェア事業

2006/3/10

日本IBM 常務執行役員 ソフトウェア事業担当 三浦浩氏

 日本IBMは3月9日、2006年度のソフトウェア事業戦略を発表した。就任3年目にして「ようやくソフトウェアのソの字がわかってきた」と自嘲(じちょう)気味に話す常務執行役員 ソフトウェア事業担当 三浦浩氏だが、世界中に57の研究開発拠点を持ち、2万2000人の開発者、1万3206の製品ラインアップを有する同社のソフトウェア事業の全貌を細かく把握するのは簡単なことではない。垂直統合型から水平統合型へと移行する同社全体のビジネスモデルの変遷の中で、ソフトウェア事業も確実にその姿を変えてきており、2006年度はその変化をさらに加速させることになりそうだ。

 事業戦略のポイントは3つ。1つ目は“高付加価値ソリューションの普及促進”である。複数のミドルウェアにサポートサービスやコンサルテーションを組み合わせて提供するサービスを指す。SOAや企業改革法、ポータル、ITIL、ITLM(IT Lifecycle Management)の5分野を対象領域とし、20種類の“高付加価値ソリューション”を用意する。年内に30種類まで増やす予定。同時に、3月1日から専任のセールス・プロモーションチーム(30人体制)を新たに結成、またハードウェア部門、サービス部門、コンサルティング部門との協業を開始した。

 2つ目は“オープンスタンダードの推進”。約40億円の価値があるとされたEclipseのオープンソース・コミュニティへの寄贈を始め、無償版「DB2 Express-C」やオープンソースベースの「WAS-CE」を発表している。このような動きは、メインフレームを中心とした垂直統合型のビジネスモデルが「プロフィッタブルではなくなった」(三浦氏)状況に対応するもの。独自開発部分の余地を残しながらも、システムの大部分にオープン規格の技術を取り入れることで、サポートサービスやコンサルテーションという新たな領域で利益を稼ぐモデルを目指す。また、オープンソースへの積極的な貢献は、同社の存在をオープン規格の中核に据える支援をする。

 3つ目は“日本市場に適したビジネスの推進”。同社は独自のパッケージアプリケーションを開発せず、全国のビジネスパートナーが開発したパッケージをパートナー間で共有するバリューチェーンの構築を行っている。2006年度もこの体制を維持する。

(@IT 谷古宇浩司)

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