ケータイで使える軽い暗号方式「K2」が登場

2006/3/15

 KDDI研究所と九州大学は3月14日、軽量、高速で安全性の高い共通鍵暗号によるデータ暗号化アルゴリズムを共同で開発したと発表した。例えば携帯電話上のソフトウェアのみによる実装でも、動画コンテンツをリアルタイムで復号しながら再生することが可能で、コストが低いと同時に汎用性が高いという。

 KDDI研究所と九州大学の頭文字をとって「K2」(ケーツー)と名付けられた新暗号アルゴリズムは、携帯電話上で世界最高速を達成したという。BREWプラットフォーム上のソフトウェア実装で(鍵長は128ビット)、復号処理を50Mbps超で行うことができたとしている。また、ワンセグ放送相当の動画像(128Kbps)のリアルタイム復号処理を、CPU使用率0.5パーセント以下で実現したという。

 K2では暗号化・復号処理をビット単位ではなくワード単位で実行することで、高速化を図っている。また、非線形処理において、状態を引き継ぎ、複数回の処理を省略することによる処理負荷の低減と高速化も実現した。

 また、擬似乱数を生成する線形フィードバックシフトレジスタ(LFSR)の構造について、従来のように毎回同一のものを利用するのでなく、毎回ランダムに選択することで安全性を高めている。この非線形構造の複雑さを変更することで、処理速度と安全性の間のバランスをさまざまにカスタマイズすることができるという。

 K2は、同じ共通鍵方式として普及しているAESと比較して、同レベル以上の安全性を実現しながら、7〜10倍の処理速度を実現したという。また、K2にはAESでは困難な携帯電話上でのリアルタイム暗号化・復号処理ができるメリットがあるという。

 KDDI研究所の執行役員、野本真一氏は、携帯電話で利用するコンテンツのサイズが、動画利用の普及などにより肥大化してくること、さらに今後、携帯電話のオープン・プラットフォーム化が進展し、ハッキングがしやすくなる一方、サービスにおいてもPCなどとのデータ交換が進むことを指摘し、汎用性が高いとともに携帯電話上で動作可能な暗号化アルゴリズムが必要だと話した。「ビジネスとしては、価値のある情報を提供し、課金する仕掛けを考えていきたい」としている。

 新暗号化アルゴリズムは3月17日の電子情報通信学会情報セキュリティ研究会で発表される。KDDI研究所と九州大学では、ISOにおける標準化の働きかけも行っていきたいとしている。

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KDDI研究所

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