「第一期のSOAは失敗だった」、ウェブメソッド

2006/4/8

 「サービスを変更したときの全体への影響範囲が分からない。会社としてのガバナンスをどのようにしてサービスに効かせればいいのか不明」。ウェブメソッドのプリセールス ディレクタ 森川衡氏は国内企業でも検討が始まったSOAの問題を指摘する。「小さい規模のSOAでは大丈夫だが、大規模なSOAで問題が顕在化する。米国では第一期のSOAは失敗したと言われている」

ウェブメソッドのプリセールス ディレクタ 森川衡氏

 SOAのメリットの1つはアプリケーションを細分化、部品化して再利用可能にすること。部品化することで新しいビジネスプロセスの構築が迅速、容易になり、開発コストも抑えることができるとSOAベンダは主張している。しかし、「SOAのメリットの裏返しで、問題もある」と森川氏は語る。

 SOAではネットワーク上のどこかのサーバでホスティングされているサービスを呼び出して、システムを構築可能。これはSOAのメリットともいえるが、一方でそのサービスに変化があった場合のシステム全体への影響を計測するのは難しい。自社が管理しているサービスなら変化を把握できるが、パートナーなど組織外のサービスでは確認が難しく、ビジネスプロセスのボトルネックになる可能性がある。また、外部にあるサービスに対してはデータ暗号化など自社のポリシーを徹底して適用するのは難しい。各サービスのサービスレベル管理も困難だ。

 これらの問題は自社内だけなど小規模なSOAでは顕在化しにくい。だが、多くの企業ではSOAのシステム開発コストを回収するため、SOAの適用範囲を自社外などに広げることを考える。そして、実際にSOAの規模を拡大すると、「問題が浮上する」と森川氏は言う。

 ウェブメソッドはSOA構築製品「WebMethods Fabric 6.5」で、このSOA運用に関する問題を解決できるとアピールする。Fabric 6.5のモジュールで2005年12月に国内で出荷した「Servicenet」はWebサービスを登録するUDDIと、サービス管理の機能を持つ。各WebサービスはすべてこのServicenetで管理され、リアルタイムでリクエスト数やエラー発生率、応答時間などのパフォーマンスが分かる。Webサービスのパフォーマンスが低下しているときはアラートを発して管理者に通知。機能しないWebサービスから別のWebサービスにファイルオーバーする機能や、Webサービスにかかる負荷を分散するロードバランシングの機能もある。

 Fabric 6.5のオーケストレーション機能、ビジネス・アクティビティ・モニタリング(BAM)機能からも、Webサービスのパフォーマンス情報を確認できる。それぞれのビジネスプロセスについてサービスレベルを確認可能で、信頼性が高いサービスを選んでビジネスプロセスを構築できる。

 ServicenetはPtoP技術を採用し、各Webサービスの情報を共有できるようにしている。UDDI Version 2に完全準拠し、Version 3をベースに実装。森川氏は「他社ベンダのSOA製品は、自社でホスティングするWebサービスについては管理できると思うが、外部環境のWebサービスも含めて管理できるのはウェブメソッドだけだ」と自社技術に自信を見せる。

 Fabric 6.5のライセンス価格は最小構成(1モジュール導入)で「数1000万円台の前半」(森川氏)。企業規模やモジュール全体の導入では数1000万円台の後半から1億円以上になる。「ソフトウェアの開発にかなり開発費がかかる」(同氏)という。

 また、ウェブメソッドは2006年出荷のレジストリ製品で、UDDIではなくRDFを採用することを検討することを明らかにした。「UDDIには限界がある」(同社 システムエンジニア 中村秀樹氏)ため。中村氏は「将来のUDDI Version 4はRDFベースになることも考えられる」と述べた。

(@IT 垣内郁栄)

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