ミドルウェア市場をピンポイント攻撃する東京エレクトロン

2006/4/20

 東京エレクトロンは4月19日、ミドルウェアの再販ビジネスを強化していくと宣言した。

コンピュータ・ネットワーク事業部ソリューション営業統括グループ統括グループリーダー 吉澤強氏

 同社コンピュータ・ネットワーク事業部ソリューション営業統括グループの統括グループリーダーである吉澤強氏は、「ミドルウェア市場は約800億程度だが、急速に成長していく可能性がある」と述べ、この分野への投資を強化していることを明らかにした。

 同社は「ミドルウェア」として、現在のところ3製品を販売している。インメモリ・データベースの「Oracle TimesTen」、クラスター・ミドルウェアの「GoAhead SelfReliant」、そしてログ収集・管理ソフトの「SenSage Enterprise Security Analytics」だ。独特なラインアップだが、東京エレクトロンとして技術的な優位性が発揮でき、パートナーとの協業モデルに合致した製品を選択しているという。

 TimesTenは東京エレクトロンが過去5年にわたって扱ってきたデータベース管理システム。機能を絞りながらも、メモリ上でのデータ展開により一般のデータベースとは桁(けた)の違うパフォーマンスを発揮する。通信や金融を中心に、世界で1600ユーザーが導入しているという。買収により2005年6月にTimesTenはオラクルの製品となったが、今年4月1日付で同社は日本オラクルとリセラー契約を締結、同製品の販売とサポートを続けていくという。

 SelfReliantは、TimesTenを導入するような顧客が求める高可用性を実現するためのSDK。アプリケーションに直接組み込むことで、キャリアグレードの可用性を可能にする製品だ。

 これらに加えて2006年1月に販売開始したのが、SenSage Enterprise Security Analytics。アプリケーションやサーバの操作ログやメール送受信ログなどを収集し、データを高度に圧縮したうえで保管し、同時に高速な検索やレポート出力を可能とする。SOX法対策としてどのようなIT機能が求められるかは議論が固まらないが、ログ管理だけは必須だろうとの見通しで取り扱いを開始したという。

 この製品に対する反響は特に大きく、発売後3カ月ですでに3件納入を終えたという。そのうちの1件は金融機関で、金融法が求めるシステム操作ログ情報提出のほか、幅広くIT利用のログ管理による内部統制のために利用されているという。

 ミドルウェア・セールス・チームの丸山松弥氏は、「向こう2年のうちに柱となる製品をあと2つ、これに付帯するものを含めると4、5製品程度は追加したい。今後も付加価値の発揮できる製品を投入する」と話した。

(@IT 三木泉)

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