「将来は1人で200台のサーバを管理」、HPが取り組む管理性向上

2006/10/18

 米ヒューレット・パッカード(HP)のシニア・バイス・プレジデント ジェームズ・ムートン(James Mouton)氏は10月17日都内で会見し、企業のITシステムの管理について「管理者と管理するサーバの比率は、いまは1対20だが、HPのサーバ、ツールを使うことで将来的には1対200になると確信している」と述べ、HPのx86サーバ「HP ProLiant」を使うことで管理効率を大きく向上できると強調した。

米HPのエンタープライズ ストレージ・サーバ ビジネス・ユニット インダストリー スタンダード サーバ事業担当 シニア・バイス・プレジデント兼ゼネラルマネージャ ジェームズ・ムートン氏

 ムートン氏はサーバを中心としたITシステムの管理性向上の条件として、「電力と冷却」「セキュリティ」「仮想化」「自動化」などを挙げた。同氏が強く訴えたのは電力と冷却の問題。HPは6月に発表したブレードサーバ「HP BladeSystem c-Class」にラック全体の消費電力、冷却を管理する「HPサーマルロジック」を実装。自社で冷却ファンを開発するなど「リアルに力を入れている」(同氏)。ムートン氏は「いまは、電力と冷却の問題から開発を始めることが多い」と話し、プライオリティの高さを強調した。

 仮想化、自動化はマイクロソフト、VMwareなどの仮想化ソフトウェアや、自社の運用管理ソフトウェア「Systems Insight Manager」「Essentials」などで対応する。ハードウェアでもイーサネットやストレージ・エリア・ネットワーク(SAN)のI/Oを仮想化し、サーバ構成変更時のケーブルの差し換えを不要にする新技術「HPバーチャルコネクト」をc-Classに実装し、管理の自動化を進めている。HPはサーバの物理的な統合、仮想化を経て「将来的にはフルオートメーションを目指す」(ムートン氏)。

 ブレードサーバのc-ClassはHPの統合、仮想化、自動化のビジョンを先取りしている。ムートン氏は「ブレードサーバは単にCPUを入れたボックスではない。イーサネットやファイバチャネル、冷却、ストレージなどすべてのエコシステムをエンクロージャに収めた」と説明。「これまでは1つ1つの要素について個別に話をしなければいけなかったが、ブレードによって1つの話だけで済むようになる」と話した。

(@IT 垣内郁栄)

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