IT@インテルの場合

インテルのCIOがアドバイス、CIOは何を見るべきか

2006/10/23

 インテルには世界27カ国に79カ所の拠点がある。データセンター数は139。正社員7000人、臨時社員800人。来日した米インテル 最高情報責任者(CIO)兼副社長 ジョン・ジョンソン(John Johnson)氏は、世界に広がる同社の巨大なITインフラを支えている。

写真 米インテル 最高情報責任者(CIO)兼副社長 ジョン・ジョンソン氏

最先端のIT企業であるインテル自身が、最先端のITユーザーでもある。同社のCIOとしてジョンソン氏は、企業活動とITとの有機的な統合を目指す。ジョンソン氏によると、注力すべき重要領域にはいくつかある。すなわち、IT投資の戦略、CEOやそのほかの経営陣との連携、事業目的との連携、新技術との連携、全社全般にわたるIT基幹性能などだ。いずれもIT部門と事業部門との連携がインフラ整備のための重要事項となる。

 さらに重要なことは、これらの重点領域における作業の進ちょくや作業の質の評価である。当然評価指標が必要である。ジョンソン氏も「ベンチマークが鍵」だと指摘している。では、どのようなベンチマークか。ここにもいくつかのポイントがある。業界全体を視野に入れて技術をみなければいけない。評価を目的とした社外の専門知識も必要だ。競争における強さと弱さを把握しておくこと。社内(各事業部)からのフィードバックも吸い上げる体制を作るべき。このような視点から考えられるベンチマークとして、社員1人当たりのIT費用というのがある。インテルの2005年度の社員1人当たりのIT費用は1万1326ドル。年々少しずつ下がっている。

 社員一人あたりのIT費用を下げるために、具体的にはどのような施策があるのだろうか。1つの例としてジョンソン氏はクライアントPCの取り扱いを挙げる。インテルではクライアントPCの85%がモバイルPCである。通信インフラは無線環境であり、このことが「従業員の生産性において顕著な優位性をもたらしている」(ジョンソン氏)とする。さらに、電源スイッチが切られたPCを監査したり、障害のあるシステムを遠隔修理できる環境を整えるなどの仕組みもある。これらは現在インテルが展開する技術ブランド「vProテクノロジ」を応用したもの。

 日本法人でもITインフラの整備、運営に関して独自の取り組みを行っている。日本法人 代表取締役共同社長 吉田和正氏によると、同社では3カ月に1回の頻度でITインフラに関するアンケートを実施、経営層を中心に30分〜1時間のインタビューも行いながら、常に使い勝手の改善を推進しているという。

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(@IT 谷古宇浩司)

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