ヤフーの子ども向けコミュニティサービス

「Yahoo! きっず」がYahoo! JAPAN IDに対応、年齢でアクセス制限

2007/08/10

 ヤフーは8月10日、子ども向けポータルサイト「Yahoo! きっず」をYahoo! JAPAN IDに対応させると発表した。開始は8月15日から。年齢(2〜17歳まで)によるアクセス制限が自動的に設定され、「Yahoo! きっず」以外のYahoo!のサービスにはログインできなくなる。有料サービスへのログインによるトラブルや、迷惑メールでのフィッシング詐欺の被害を防止するといった狙いがある。登録者が18歳になると自動的に同一のYahoo! JAPAN IDで、通常のYahoo! JAPANのログインサービスを利用できるようになる。同社では、IDを登録する場合、保護者と一緒に個人情報のデータ入力を行うことを推奨している。

ヤフー写真 ヤフー サービス統括部長 影山工氏

 同社では、アクセス制限などの規制を自動化し、ユーザーのインターネット上での振る舞いに意図的に限界を設けることで、昨今、マスメディアで取り上げられる機会が多くなったインターネットでの誹謗中傷(ひぼうちゅうしょう)や匿名(とくめい)コミュニティでのトラブルを回避しようとする。今回のYahoo! JAPAN IDによるアクセス制限は、2006年6月6日に発表した「Yahoo! あんしんねっと」(有害サイトをブロックするフィルタリングサービス」導入に続く子ども向け対策であるといえる。

 「Yahoo! きっず」は月間1億ページビュー、(月間の)ユニークユーザー数は500万人(Yahoo! JAPAN調べ)という子ども向けポータルサイトとして国内でトップレベルの規模を誇る。利用者の平均年齢は10.1歳。コアターゲットは小学生である。女児の利用率(56.6%)が男児(43.4%)を上回る(Yahoo! JAPAN調べ)という特徴を持つ。

 1997年にヤフーによる社会貢献活動の一環としてサービスを開始したという経緯は現在でも受け継がれ、基本的に広告事業そのほかの事業活動は行っていない。8月15日に開始する予定の「Yahoo! きっずポケモン」といったサービスもすべて無料で提供する。同社では「CSR(Corporate Social Responsibility)活動の一環として『Yahoo! きっず』を展開している。事業目標などはない」とする。ただし、「Yahoo! きっず」のユーザーが大人になり、Yahoo! JAPANのサービスを利用するようになればよい、との長期的な視野に基づくマーケティング戦略はあるようだ。

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(@IT 谷古宇浩司)

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