サイオスのHAソリューションの組み合わせでCSK Winテクノロジが提供

Windows向けSendmailで安価なHAソリューション発売

2007/09/10

 CSKグループのCSK Winテクノロジとサイオステクノロジー、センドメールの3社は、センドメールの「Sendmail Advanced Message Server」(SAMS)で構築されたメールシステム向けの高可用性クラスタ化ソリューション「Sendmail Cluster Kit for Windows」を発売したと発表した。価格は252万円(税込み)で、追加1ノード当たり126万円(税込み)。販売はCSK Winテクノロジおよび販売パートナー数社を通じて行う。年間1億円の売り上げを見込む。

sendmail01.jpg CSK Winテクノロジ営業部 製品グループグループ長の藤澤英治氏

 SendmailといえばUnix向けという印象が強いが、「Windowsプラットフォーム向け製品でも国内で累積約3万サイトへの販売実績がある」(センドメール テクニカルディレクター 末政延浩氏)と、人気が高いという。こうしたWindows向けサーバ製品で問題となるのが、高可用性(HA)クラスタシステムが高価になりがちだったことだ。CSK Winテクノロジ営業部 製品グループグループ長の藤澤英治氏は、共有ディスクを実現するためのSAN、エンタープライズ版の高価なOS、スクリプト開発のコストなどをHAシステム導入時のコスト高の要因に挙げる。Sendmail Cluster Kit for Windowsは、こうしたコスト要因を解決したソリューションだ。

 今回の発表に合わせてサイオステクノロジーが発売したWindows向けHAソリューションの新バージョン、「LifeKeeper Protection Suite for Windows v6」が持つ「データレプリケーション」を利用することで、Sendmail Cluster Kit for Windowsは2台のサーバのHDDをネットワーク越しにミラーリングすることができる。100MbpsのLANで1時間当たり35GBのデータをコピーでき、約1万ユーザーのシステムでの一般的なメール流量の1日当たり30GBより多く、SANを導入しなくてもHAシステムが構築できるとう。LifeKeeper Protectionは、今回のバージョンから新たにCDP(Continuous Data Protection:継続的データ保護)機能を搭載。リアルタイムにデータの変更履歴を記録するため、あらゆる時点のデータを復元できる。「HAクラスタとCDPの両機能を兼ね備えたソリューションは国内で初」(サイオステクノロジー 執行役員 エンタープライズソリューション部 部長 小野寺章氏)という。

sendmail02.jpg 一般的な構成図

 LifeKeeper Protection Suite上で稼働するSendmail向けのスクリプト、「Sendmail SAMS ARK」はLifeKeeper for Linuxでは標準オプションとして含まれるが、今回、Windows版をCSK Winテクノロジとセンドメールが開発した。サーバの起動や停止、監視を行うもので、どういうリソースを監視するかなどノウハウ面でセンドメールが協力した。サーバの運用・管理はスクリプトの編集が不要でGUIで行える。

 HAソリューションではOSとしてエンタープライズ版が必要となることが多いが、Sendmail Cluster Kit for WindowsはWindowsサーバのエディションは選ばない。このため、Windows 2000 ServerとWindows Server 2003の混在するクラスタ構成も可能という。

(@IT 西村賢)

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