完全なフォールトトレランスも目指す

米ヴイエムウェアCEO、「データセンター自動化に向けた革新の余地は大きい」

2007/09/13

 米ヴイエムウェアの社長兼CEO ダイアン・グリーン(Diane Greene)氏は9月11日に日本からの報道関係者とのインタビューに応じた。以下は@ITによる質問と、グリーン氏の答え。

greene01.jpg 米ヴイエムウェア 社長兼CEO ダイアン・グリーン氏

――株式公開で調達したたくさんの資金はどのように使おうとしているのですか?

グリーン氏 資金の用途はいくつかのカテゴリに分かれます。1つは技術やソリューションに関する買収。EMCに支払った一括配当もあります。また、EMCのキャンパス建設にも資金を提供しました。

――買収に関しての優先順位は?

グリーン氏 技術とソリューションといいましたが、技術については何らかの分野でわれわれが行う機能の開発を加速化できると考えれば買収します。これは基本的には仮想化インフラに関してですが、ソリューション関連においても、顧客がヴイエムウェアに求めているものを持っていて、親和性が高い企業であれば買収します。例としてはAkimbi(ソフトウェア開発支援ツールの企業)、Dunes Technologies(ITプロセス管理ツールの企業)などがあります。

――現在はまだ仮想化の進化における初期の段階に過ぎないと考えている人は、グリーンさん以外にもたくさんいると思います。しかし、もし誰かが「進化の残りの部分は技術的な進歩というよりも、主に普及のプロセスだ」といったとしたら、どう答えますか?

グリーン氏 私たちはイノベーションを3つの分野で考えています。ハイパーバイザについては「WMware ESX Server 3i」という大きな発表を行いました。プロセッサベンダと共同で行ってきた仮想化のスピードアップと信頼性の向上についての開発も大きなイノベーションです。ハイパーバイザについてだけでもこれだけの進化があります。仮想インフラのレイヤでは、ミッションクリティカルであってもなくても、すべてのアプリケーションに関してQoSの保証性能を向上できるようになればとてもエキサイティングだと思います。信頼性とセキュリティを、仮想マシン環境で動作するすべてのアプリケーションに提供できるのですから。さらにソリューションのレイヤでは、データセンターの完全な自動化に向けて、イノベーションの余地は十分にあります。

――サーバ仮想化の1つの課題として、ハイパーバイザが単一障害点(single point of failure)になり得ることがあると思いますが、どう対処していきますか?

グリーン氏 できることは、まず仮想インフラのなかで複数の物理サーバ、つまりハイパーバイザにまたがってすべてを結び付け、そのうえでマシン間にまたがる完全なフォールトトレランスを実現することです。ある物理マシンのハイパーバイザに障害が起これば、透過的にすべてを移動できる環境を作っていかなければなりません。



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(@IT 三木泉)

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