リアルタイム処理を実現するシステムアーキテクチャ

数万〜10数万件/秒の即時処理を可能にするNECの超並列処理エンジン

2007/09/26

 NECは9月26日、大規模、高速のトランザクション処理を実現するシステムアーキテクチャ「Parallel Stream Architecture」を確立、同アーキテクチャを実現するための超並列処理エンジン(ミドルウェア製品)2製品を開発し、販売すると発表した。同アーキテクチャを活用することで、数万件/秒のオンライン処理性能を持ちながら、1件あたりの処理コストはバッチシステム並の低コスト化を実現できるとする。

NEC写真 NEC 執行役員 富山卓ニ氏

 「Parallel Stream Architecture」は、データベースの更新を伴う業務処理を多階層の複数処理ステージに分割し、それぞれの処理ステージで分散メモリDB方式で処理を行わせるシステム・アーキテクチャである。この実現において、同社が新たに開発したのが、大量トランザクション・データをストリーム単位に分割して一括処理するミドルウェア「WebOTX Parallel Stream Monitor」と、大量データをメモリテーブルとして保持し、アクセスするためのミドルウェア「InfoFrame Table Access Method」である。

 前者は複数データの一括入力、一括コミット(更新確定)により、1データ処理あたりのトランザクション処理のオーバーヘッドを低減し、業務システムのスループットを向上するもの。業務アプリケーションの変更なしに、負荷に応じた最適なシステム構成が可能で、システムが稼動中でも動的な構成変更が行える。

 後者はメモリテーブル化によって高速アクセスを実現するもの。リソース競合を排除し、対象型マルチプロセッサ環境下でも高い並列動作性を提供するという。また、メモリテーブル化によるデータ消失リスクをジャーナルおよびレプリケーションによって解消、複数の物理回線の同時使用により、大量更新環境を支える高速・高信頼のレプリレーション実現を目指す。

 NECでは今後3年間で30システムの販売を見込んでいる。

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(@IT 谷古宇浩司)

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