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スマートフォンはガラパゴス諸島で花咲くか
2007/11/26
@IT NewsInsightの先週のアクセスランキングのトップはマイクロソフトが行ったスマートフォンユーザーの調査結果についての記事「携帯が捨てられない――調査で分かったスマートフォンの弱点」だった。多機能性を誇るスマートフォンだが、PC的な使い方が主で、電話としてはそれほど使われていないというユーザーの実態が明らかになった。
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この傾向は今後も続くのだろうか。PCを複数台所有するIT上級者はスマートフォンをPC的に使い続けるだろう。しかし、スマートフォンがさらにすそ野を拡大するためには非PC上級者の取り込みが必須。そのためには音声機能を充実させ、携帯電話キャリアが独自に実装している電子メール機能やネットサービス機能をスマートフォンに取り込む必要がある。マイクロソフトもそのことは分かっているはずだ。
では、それが実現されないのはなぜなのか? 日本の携帯電話業界は、国内で独特の発展、進化をしてきた“ガラパゴス諸島”に例えられる。国際的に見るととっくになくなっているビジネスモデルが独自進化をしながら生きながらえているのだ。独自技術が障壁となり、海外企業が日本に進出できなかった。そのため市場が安定し、競争を重ねながらも多くの企業が生き残ってきた。その反面、日本の携帯電話関連企業は世界市場では勝負できなくなってしまった。
世界ではほぼ絶滅しながらも、日本で生き残っているものの1つは通信キャリアを中心にする垂直統合モデルだろう。通信キャリアが回線の保有から運用、端末の開発、販売、インターネットサービスの提供、課金まですべてを提供するビジネスモデルだ。
この垂直統合モデルが残る限り、携帯電話端末のベンダやマイクロソフトなどのプラットフォームベンダは日本市場で独自性を発揮することが難しい。日本の携帯電話ユーザーは米国での「iPhone」の発売を指をくわえて眺めていた。どうして日本でiPhoneが発売されないのか? それは日本が“ガラパゴス諸島”で、“外来種”が入り込めないからだ。
米グーグルが中心となって開発している携帯電話プラットフォーム「Android」のパートナーには日本のNTTドコモとKDDIが加わっている。グーグルがYouTubeで公開しているAndroidのデモンストレーションビデオにはわくわくさせられる。このような魅力的な携帯電話をぜひ日本で使いたいと思うのだが……。
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