DSi向けソフトとWebサイトを組み合わせ

パラパラ漫画YouTube、はてなと任天堂が協業

2008/12/18

 はてなは12月18日、新サービス「うごメモシアター」と「うごメモはてな」を発表した。利用は無料。任天堂が11月1日に発売した「ニンテンドーDSi」と組み合わせて楽しめるパラパラ漫画を使ったYouTubeともいうべきサービスだ。

hatena01.jpg 協業を発表する任天堂 情報開発本部 東京制作部 ゲームプロデューサー 小泉観晃氏(左)と、はてな代表取締役近藤淳也氏(右)

 任天堂はDSi向けに専用ソフトウェア「DSiウェア」のダウンロードサービスを12月24日から開始予定。同日無償配信の開始を予定している「うごくメモ帳」を使ってパラパラ漫画を描き、これを作品として、はてながホスティングするサービス「うごメモはてな」に投稿できる仕組み。うごメモはてなに投稿された作品は、DSi向けとして同社が提供するサービス「うごメモシアター」でも閲覧できる。

hatena02.jpg 3つのサービスの関係。はてなが提供するのは緑色で囲われた2つのインターネットサービス。両者とも投稿作品を閲覧するためのサービスで、うごメモはてながPCやモバイル向け、うごメモシアターがDSi向けサービスだ

 DSiウェアの第一弾の1つとなる、うごくメモ帳はDSiを使ったメモソフト。通常DSiウェアは購入することになるが、うごくメモ帳は無償。手書きでメモを取り、カレンダーに張り付けたり、SDカードに残したりできる。

パラパラ漫画を超えた新しい表現をユーザーに育ててほしい

 パラパラ漫画の作成ツールがあるのがうごくメモ帳の特徴だ。十字ボタンを押すことで紙をめくるようにフレームを移動し、透過的に表示される“前の絵”を確認しながら簡単なアニメーションが作れる仕組みだ。アニメーションはマイクから取り込んだ音声を付けることができるほか、再生速度の調整が可能。カメラで撮影した写真を素材として活用することもできる。

 作成したアニメーションはWi-Fi経由でユーザー間で送受信ができるほか、はてなのサービスに投稿できる。アニメーションの作成や投稿は手軽。任天堂の小泉観晃氏(情報開発本部 東京制作部 ゲームプロデューサー)は「パラパラ漫画を超えた新しい表現としてユーザーに育ててほしい」と話す。

hatena03.jpg DSi向けのソフトウェア「うごくメモ帳」を使って、パラパラ漫画を描くことができる
hatena04.jpg 作品投稿サイト「うごメモはてな」。PCやケータイから閲覧、コメント投稿などができる
hatena05.jpg DSi向けサービス「うごメモシアター」を使って投稿作品を閲覧できる

見知らぬ人とコラボレーションも

 PCおよびモバイル向けのうごメモはてなと、DSi向けのうごメモシアターは、パラパラ漫画のYouTubeといった趣だ。はてなスターを使った評価やコメント記入ができるほか、特定のユーザーの作品だけ閲覧する機能や、自分が星を付けた作品だけを見る機能、誰かが星を付けたお勧め作品だけを見る機能などがある。ブログパーツとして張り付けることもできる。

 投稿作品はWebサイト上ではすぐに反映されるが、一定時間を経てユーザーからの通報がなかった場合のみDSi向けサービスのうごメモシアターでも見えるようになる。暴力的表現、性的表現、著作権侵害のあるもの、名誉毀損、営利目的の投稿などのフィルタリングを参加ユーザーの協力で行う形で、「はてなユーザーの力で安心を実現する」(はてな代表取締役 近藤淳也氏)としている。

 投稿された作品を改変し、次々と書き加えることで作品を発展させることができるのも特徴だ。作品にはロックをかけて投稿することもできるが、ロックされていない作品についてはDSiにダウンロード後、自由に書き換えて投稿できる。「見知らぬ人とコラボレーションが可能」(任天堂 小泉氏)。作品の発展を時系列に並べる「親子関係」の追跡も可能だ。

hatena06.jpg 1つの投稿作品を使って発展した作品を、別のユーザーが作っていける

 今回の協業では資本提携などはないが、広告配信などにより「うごメモはてなを収益化していきたい」(はてな 近藤氏)としている。両社は協業による互いのメリットについて、「DSiには低年齢層のユーザーも多く、今回の協業によって従来のはてな以外のユーザーにリーチするきっかけになる」(はてな 近藤氏)、「お互い京都同士で社風が似ているということもあったが、はてなが質の高いサービスを提供していると知っていた。インターネットで自由度の高いユーザー参加型サービスを扱うノウハウを持っている」(任天堂 小泉氏)と評価。2008年8月に任天堂側が話を持ちかける形で協業を始め、10月から本格的なサービス開発をスタート。約3カ月の開発でサービスリリースにこぎ着けたという。

(@IT 西村賢)

情報をお寄せください:

Coding Edge フォーラム 新着記事
@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)

キャリアアップ

- PR -

注目のテーマ

ソリューションFLASH

「ITmedia マーケティング」新着記事

高齢男性はレジ待ちが苦手、女性は待たないためにアプリを活用――アイリッジ調査
実店舗を持つ企業が「アプリでどのようなユーザー体験を提供すべきか」を考えるヒントが...

IASがブランドセーフティーの計測を拡張 誤報に関するレポートを追加
IASは、ブランドセーフティーと適合性の計測ソリューションを拡張し、誤報とともに広告が...

【Googleが公式見解を発表】中古ドメインを絶対に使ってはいけない理由とは?
Googleが中古ドメインの不正利用を禁止を公式に発表しました。その理由や今後の対応につ...