仮想アプライアンス市場へ一歩前進
仮想化ソフトウェア「VirtualBox 2.2」がOVF対応に
2009/04/09
米サン・マイクロシステムズは4月8日、オープンソースの仮想化ソフトウェア「Sun VirtualBox 2.2」を発表した。業界標準となることが見込まれる仮想イメージフォーマット「OVF」(Open Virtualization Format)に対応したほか、ゲストOSとしてLinuxやSolarisを使った場合にOpenGLをサポートした。
アップルの次期バージョンのOS「Snow Leopard」では64ビットにも対応し、ゲストOSに割り当てられる最大メモリ容量は16GBとなるという。
OVF形式に対応したハイパーバイザや仮想環境同士では、ゲストOSのイメージファイルをインポート・エクスポートできる。このため、VMイメージのポータビリティが上がるほか、OS、ミドルウェア、アプリケーションなどをパッケージして、インストールや設定作業を大幅に単純化する「仮想アプライアンス」も作りやすくなる。公開鍵に基づくライセンス認証や、複数のVMイメージを一括して扱えるなど広い用途が期待される。
ただ、規格策定にVMWareやIBM、インテル、マイクロソフト、ノベル、オラクル、サン・マイクロシステムズなど主要ベンダが名を連ねているとはいえ、OVFの初めての正式版となる「OVF 1.0」は2009年3月23日に登場したばかり(プレスリリース、OVFの仕様書PDF)。今後どの程度各社の製品でサポートが進むかは、まだ分からない。むしろ、現時点ではVMwareのディスクフォーマット「VMDK」や、マイクロソフトの「VHD」のサポートのほうがメリットが大きいと言えそうだ。
サン・マイクロシステムズによれば、VirtualBoxは2007年10月の提供開始以来、累計1100万ダウンロードを達成。現在は1日当たり2万5000ダウンロードとなっているという。同社はVirtualBoxをGPLの下でオープンソースとして公開しているほか、サブスクリプションによるサポートサービスを提供している。
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