初音ミクやけいおん!も

「Chromeをスタイリッシュに」、アーティストテーマ提供

2009/10/06

 グーグルは10月6日、「Chrome」ブラウザのデザインをカスタマイズできるテーマ機能を拡充し、国内外のアーティストが作成した「アーティストテーマ」の配布を開始した。専用ページから無償で入手できる。

 同社エンジニアリングマネージャの及川卓也氏は、「Chromeは『シンプル』と『速い』という2つのテーマを追求してきたが、バージョン3.0からはこれに『スタイリッシュ』という要素を加えている」と述べた。ブラウザの外観をカスタマイズできるテーマ機能は、9月にリリースされたChrome 3.0安定版で追加されたものだが、当初は、グーグル自身が提供するテーマのみが配布されていた。

 アーティストテーマでは、新たに、世界12カ国から幅広い分野のアーティストが参加し、約100種類のテーマを提供する。日本からは14のアーティストが参加し、ボーカロイドソフトの「初音ミク」やアニメ「けいおん!」、電子楽器「TENORI-ON」などのデザインが用意される。及川氏は、「アートとテクノロジーが融合した新しい表現形式を、Google Chromeを通して世界に紹介していきたい」と述べた。

chrome01.jpg

 なお、現時点ではテーマに関するAPIは公開されておらず、ユーザーが自由にテーマを作成してアップロードすることはできないが、「いずれはできるようにしていきたい」(同氏)という。

chrome02.jpg グーグル エンジニアリングマネージャ 及川卓也氏

 及川氏はこの場で、Chromeの位置付けについても説明した。「我々はWebの上で生きている。Webの上で生きている時代に、ブラウザは10年前のものと同じでいいのかという問題意識に立ってブラウザを再定義したものがChrome」(同氏)。最終的には、Webでもローカルアプリケーションと同じことができるようになっていくことがゴールだ。

 Chrome 3.0では、レンダリングの強化やJavaScriptエンジン「V8」によってさらに高速化が図られているが、これも「『速い』というだけで、ブラウザにできることが変わってくる。いままでも、ブラウザの速度が遅いという理由からWebアプリケーション開発者があきらめてきたことがある」と及川氏は述べた。

 HTML5のサポートも同じ文脈から語られるもので、ローカルアプリケーションと同じようになっていく上で欠かせない技術だという。Chrome 3.0では、HTML5のvideoタグやaudioタグ、canvasタグをサポート済みだが、今後の開発版では、ジオロケーションやオフライン機能など、サポート範囲をさらに広げていく方針という。

(@IT 高橋睦美)

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