50社が採用もしくは対応アプリ開発を表明

Windows Azureが国内本格稼働、早くも事例が登場

2010/02/22

ms01.jpg マイクロソフト 執行役 デベロッパー&プラットフォーム統括本部長 大場章弘氏

 いよいよマイクロソフトがWindows Azureの国内展開を本格化する。エンジニア向けイベント「Microsoft Tech・Days」の開催に先立ち、同社は2月22日に都内で会見を開催。これまでパートナー企業との取り組みの中で見えてきた「クラウドに向く分野」を事例とともに紹介、日本市場向け製品サイトや技術情報サイトの開設を通じて、日本市場における事業展開を本格化していくとした。

 マイクロソフト 執行役 デベロッパー&プラットフォーム統括本部長 大場章弘氏はWindows Azureの特徴について、「従来のサーバ環境と、クラウドのバランスを取ることで、コストを削減しつつ使いやすいシステムを構築できる」こと、「これまでVisual Studioや.NETに対して行ってきた投資やスキルを生かしつつクラウドへとシステムを拡張、進化させていける」ことと語った。

 本格運用に至るまでの、これまでのパートナー企業との取り組みの中で見えてきたWidows Azure活用シナリオについて、大場氏は以下の6つを挙げた。

  • 大容量ストレージ(画像・動画・取引ログ)
  • 非常用バックアップシステム
  • オープンソース環境からの利用
  • キャンペーンサイト構築・運用
  • 大規模コンシューマサービス
  • SOAでの基幹システムの拡張

 クラウドでは大規模スケールが容易なことから大場氏は、1番目と5番目を特にクラウドに向くシナリオでないかと指摘する。マイクロソフトの公式発表ではAzureのデータセンターは全世界に6拠点、それぞれ2箇所ずつ。詳細な場所は非公開だが、これ以外の場所にもCDNがあるため、大容量のバイナリを配信することも現実的だという。

 すでにグーモ株式会社はAzure上に、EC機能と連携する動画配信サービスを構築。SilverlightによるリッチなUIを備えたサービスをベータ版として提供開始しているという。コストやスループットの議論よりも、開発・運用しなければならないシステムが大幅に簡素化されることがメリットだという。

 一時的に負荷が高まるキャンペーンサイトは、クラウド利用に適した例だが、Azure向けとしてソフトバンク クリエイティブは、コンテンツ管理システム(CMS)を利用したキャンペーンサイトを展開。CMSはReedRexがこれまでWindowsサーバ向けにパッケージとして提供していたものという。

 Windows Azureを支えるサービスの3大モジュールのうち、現在まだ唯一ベータ版となっているのが「Windows Azure platform AppFabric」だが、AppFabricを使った事例も出てきている。宝印刷は、日立システムアンドサービスの支援を得て、上場企業の企業情報開示を支援するサービスでAzureを採用。宝印刷はもともとXMLベースの財務報告書の規格、XBRLを処理するモジュールを.NETベースのサービスとして構築していたため、SOA基盤としてAppFabricを利用することで、短期間でAzure対応とさせることができたという。クラウド移行といっても、全面的にシステムを移すのではなく、部分的にクラウドを利用する「ハイブリッドという点で注目すべき構成」(大場氏)という。

 日本国内でWindows Azure採用、もしくは対応アプリケーション開発を表明しているのは現在50社。今後の採用動向が注目される。

(@IT 西村賢)

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