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包括利益の基準化を延期

ASBJがコンバージェンス計画表を修正、国際動向を反映

2010/04/12

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 企業会計基準委員会(ASBJ)は4月12日、包括利益表示の基準化を延期することなどを含む「プロジェクト計画表」の最新版を公表した。IASB(国際会計基準審議会)とFASB(米国財務会計基準審議会)のMOUに関するプロジェクト項目についてもスケジュールを更新している。

 ASBJは日本の会計基準とのIFRS(国際財務報告基準、国際会計基準)との差異をなくすコンバージェンス(収れん)作業を行っていて、その計画表を適宜公表している。前回は2009年9月に公表した。前回との差分では、既報のように財務諸表の包括利益表示の基準化が、従来の2010年1-3月から同年4-6月に延期された。

 そのほかの「既存の差異に関連するプロジェクト項目」では、企業結合(ステップ2)と無形資産の公開草案を従来の2010年4-6月公表から同年4-9月公表に変更した。最終的な基準公表は従来と同じ2010年10-12月期で変更はない。

 「IASB/FASBのMOUに関連するプロジェクト項目」ではIASBが3月に公表したワークプランを反映させたうえで、2011年を上期と下期に分けて計画を詳細に記した。財務諸表の表示(フェイズB)、収益認識などはMOUに合わせて、2011年上期に公開草案を公表する計画。ただ、連結の範囲や金融商品の減損、ヘッジ会計など、IASBの作業の遅れから公開草案の公表を後ろにずらすプロジェクトもある。

 一方、退職給付については従来はステップ1の基準化を2011年としていたが2010年中に基準化を終了。ステップ2については2011年上期に論点整理を公表し、下期に公開草案を公表する計画だ。リースについても従来の計画から前倒しし、2010年7-9月に論点整理を公表し、2011年上期に公開草案を出す予定。また、新たなプロジェクト項目として排出権を追加した。

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(IFRSフォーラム 垣内郁栄)

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