[Analysis]

Palm系PDAが危機?

2001/08/21

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 PDAのOS市場に変化が起きている。1999年には70%以上という圧倒的シェアを占めていたPalm OS(パーム)が、対Windows CE(マイクロソフト)に苦戦を強いられている様子だ。

 Palm OS陣営には、「Palm」のパーム コンピューティング、「Visor」のハンドスプリング、「Clie」のソニーらがおり、Windows CE陣営には、「iPAQ」のコンパックコンピュータ、「Jornada」のヒューレット・パッカード、「シグマリオン」のNTTドコモ、採用を発表したNECらが名を連ねている。また、日本市場には古参の「ザウルス」(ザウルスOS)を擁するシャープの存在がある。

 昨年末のザウルスの最新版「Zaurus M1-E1」の登場、巨人マイクロソフトの組み込み市場へのてこ入れにより、PDA市場は予断を許さない状況になりつつある。現在、パームやハンドスプリングは低価格作戦をとっており、出荷台数を見ると順調かのように見える。だが、PDA市場全体がまだまだ成長市場。価格設定が高めのコンパック「iPAQ」は、売り上げベースではPalm系PDA各社を上回ろうとしている。

 米ガートナー・データクエストの調査レポートによれば、企業ユーザーが求めているのはショートメッセ―ジング機能やワイヤレス機能などとPDAの統合だ。この分野ではマイクロソフトのWindows CEがPalmを追い上げている。劣勢の予想を受けた米パームは先週、Beを買収、OS事業を切り離すなどの体制を整え、OS強化に本腰を入れるものと思われる。

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