[Analysis]

ストレージ管理が自動化される日

2001/11/30

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 従来のホスト接続型からNAS、SANなどさまざまなストレージ技術が登場し、ディスク容量も増加しているが、相変わらずの課題が“管理”だ。実際、帯域幅は9カ月に2倍、ストレージ容量は12カ月で2倍、処理能力は18カ月で2倍と、情報および情報伝送能力は成長を続けている。また、プロセッサやメモリの単価も安くなっている。それでも、さまざまなハードウェア、機種、システムに囲まれた管理者の負担は一向に減らない。

 現在、IT管理者の仕事の80%が保守といわれている。設備を含めたストレージ・サービスを提供するSSP(ストレージ・サービス・プロバイダ)ビジネスが登場したが、セキュリティなどの面で不安が残り、決定的な解決策とはなっていない。そんな中、ベンダ各社はこの問題に対するソリューションを提唱し始めた。

 先日、ストレージ最大手EMCが提唱した“オートIS”はその一例だ。異機種が混在するヘテロジニアス環境で自動化されたストレージ管理を実現するというもので、同社は2001年だけで10億ドルを投資して研究・開発を進めているという。IBMが春に発表した「eLiza」もほぼ同様のことを目指しており、ヒューレット・パッカード、コンパック コンピュータなどでも研究が進められているようだ。

 先日開催された「Storage Networking World/Tokyo 2001 Fall」で、基調講演を行った米IDC ワールドワイド ストレージシステムズリサーチ リサーチディレクターのロバート・グレイ(Robert C. Gray)氏は、これらを“Sentient Systems”と呼び、「今後10年、課題となるのはストレージの管理と統合だろう」と語った(Sentientとは、直覚[知覚]力のある、といった意味を持つ)。これらのソリューションは、まずはNASやSANで実装され、その後ストレージ以外のデータベースやサーバといった領域にも広がっていくと予想されている。だが、それが実現するのはまだ先のこと。その間、管理者は現状の技術とサービスで負担を減らすしか策はなさそうだ。

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