HDE Controller 2.5 Linux版 Home Server Edition

中澤 勇
@IT編集局
2002/2/23
製品名: HDE Controller 2.5 Linux版
Home Server Edition
価格: 2万9800円
発売日: 2002年2月22日
販売元: ホライズン・デジタル・エンタープライズ
URL: http://www.hde.co.jp/

HDE Linux Controller 2.4 Standard Editionの後継製品、「HDE Controller 2.5 Linux版 Home Server Edition」が登場。使いやすいユーザーインターフェイスはそのままに、常時接続環境への対応が行われている。

 使いやすいインターフェイスに定評のある「HDE Linux Controller」シリーズに新製品「HDE Controller 2.5 Linux版 Home Server Edition」(以下Controller 2.5)が登場した。今バージョンから、「HDE Linux Controller」が「HDE Controller Linux版」に、「Standard Edition」が「Home Server Edition」に改称された。つまり、Controller 2.5は「HDE Linux Controller 2.4 Standard Edition」の後継製品である。

 Controller 2.5は、小規模なイントラネットやADSLなどの常時接続サービスを利用した公開サーバの構築を前提としており、個人やSOHOなどが主要なターゲットユーザーになる。

 対応ディストリビューションは、2002年2月時点ではRed Hat Linux 7.2およびTurbolinux 7 Workstation/Serverとなっているが、そのほかのディストリビューションについても順次対応していくとしている。

HDE Controllerとは

 Controller 2.5のバージョンアップポイントなどに触れる前に、HDE Controllerシリーズを知らない人のために概要を簡単に紹介しておこう。

 同シリーズは、WebベースのGUIでLinuxの設定や管理を実現するソフトウェアである。Web、メール、FTP、メーリングリスト、DNS、DHCP、ファイル共有などのサービスをWebブラウザで設定できるほか、ユーザーやログの管理もできる。同様のツールにLinuxconfやWebminなどがあるが、HDE Controllerシリーズはユーザーインターフェイスがより洗練されているといえる(好みの問題もあるが)。ただし、ユーザーインターフェイスが凝っている分だけ、Webminなどに比べて動作はやや重く感じる。また、完全な日本語であるため、特に初心者にとっては使いやすいだろう。

画面1 Controller 2.5のメイン画面。ここから各種サービスの設定画面にアクセスできる(画像をクリックすると拡大表示します)

 2.4から2.5へのバージョンアップでは、特にADSL常時接続環境を意識した機能強化が行われている。PPPoE機能を搭載し、LinuxマシンをADSLモデムに直接接続してルータとして利用することもできる。

Dynamic DO! http://ddo.jp/
DHS International http://www.dhs.org/
DynDNS http://dyndns.org/
HAMMERNODE http://hn.org/
家サーバー・プロジェクト http://www.ieserver.net/
No-IP.com http://www.no-ip.com/
ZiVE-Org http://www.zive.org/
表 対応ダイナミックDNSサービス(2002年2月時点)

 また、ダイナミックDNSサービスのサポートも行われている。対応サービス(2002年2月時点では7つ:表参照)を利用して、Controller 2.5が自動的にDNS情報を更新する。つまり、プロバイダから割り当てられたグローバルIPアドレスが変わると、そのIPアドレスをダイナミックDNSサービスに通知してくれるというわけだ。この機能を利用すれば、固定IPアドレスでなくてもサーバをインターネットに公開できる。ただし、プライベートIPアドレスを割り当てるプロバイダを利用している場合は、ダイナミックDNSサービスが受けられないので注意が必要だ。

 なお、対応するダイナミックDNSサービスは今後も増やしていくという(アップデートで対応予定)。

画面2 初期セットアップウィザードでのダイナミックDNSサービス設定画面(画像をクリックすると拡大表示します)

初心者に優しい作りだが、詰めが甘い点も

 では、新旧機能を含めて、気付いた点を順番に紹介しよう。

 まず、全体的な設定項目について。同社によると、ユーザーからは「Webminに比べて設定できる項目が少ない」というフィードバックもあるという。だが、Controller 2.5の目的が「初心者がサーバを公開する」ことである点を考慮すると、必要な項目は満たしているだろう。項目が多すぎても混乱の元だし、セキュリティの観点からも、できることを絞っておいた方がよいだろう。

画面3 各種サービスの監視画面。サービスのオン/オフや再起動もここで集中管理できる(画像をクリックすると拡大表示します)

 iptablesを使ったパケットフィルタリングは、その仕組みやコマンドの書式、TCP/IP自体を理解していないと設定するのは難しいが、Controller 2.5を使えば簡単に設定できる。この辺りのユーザーインターフェイスはよく練られていると感じる。

画面4 パケットフィルタリングの設定。公開する/しないを選択するだけで設定できる (画像をクリックすると拡大表示します)

 ソフトウェアのアップデートも同社提供のサーバで行えるなど、設定後のサポートに配慮している点も初心者にとっては心強いだろう。また、バックアップ機能というとテープなどのデバイスが必要になるものだが、Controller 2.5では選択した項目(ユーザーディレクトリやログファイルなど)をtgzでアーカイブして指定ディレクトリに保存できる。この程度なら、家庭ユーザーでも可能だ。

 一方で、少々気になった点もある。例えば、Sambaの設定では既存のLAN上にあるNTドメイン/ワークグループを自動検出してくれる。複数検出された場合は、検出したNTドメイン/ワークグループを選択肢として、そこから選択するだけというわけだ。これは確かに便利なのだが、問題は目的のNTドメイン/ワークグループが検出されなかった場合である。まったく検出されなかった場合は手動で入力できるのだが、1つでもワークグループなどが検出されると選択肢から選ぶ以外に設定する手段がないのだ()。自動検出する/しないを選択できるようにしていただきたい。

注:smb.confを直接編集すれば済む話ではあるが……。

 もう1つは、セキュリティ関係のデフォルト設定が甘い点だ。

 iptablesやTCP_Wrapperの設定については、OSのデフォルト設定を反映していると思われるので仕方がないが、Controller 2.5自体に対するアクセス権が「全てのサイトからの接続を認める」になっていたのにはギョっとさせられた。対象ユーザーが初心者で、公開サーバの構築を前提としている製品としては少々開放的すぎるように感じる。Controller 2.5を使う場合は、真っ先にここの設定を変更するべきだろう。

設定をとにかく簡単に済ませたい人に

 すでに何度もバージョンアップを繰り返してきただけに、基本的には完成度の高い製品になっている。ユーザーインターフェイスに至っては、完成しているといってもいい。後は、設定ツールに魅力を感じるか否かである。

 「Linuxをいじること」を目的としている人にとって、Controller 2.5は興味を引くものではないかもしれない。だが、「構築したサーバで何かをすること」が目的であれば、サーバの構築自体は同製品を使って最小限の手間で行うのがいいだろう。初心者でなくても、同製品を使って取りあえず基本設定を済ませてしまうといった使い方もできる。


Index
HDE Controller 2.5 Linux版 Home Server Edition
Page 1
HDE Controllerとは
初心者に優しい作りだが、詰めが甘い点も
設定をとにかく簡単に済ませたい人に

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