リッチクライアントベンダ・インタビュー
第7回:株式会社HOWS

宮下知起
2005/11/23



 Google Mapsへの驚きから始まったAjaxブームは、とうとうAjaxを基盤技術として国産ソフトウェアベンダまで生み出した。株式会社HOWS(ハウズ)は、あのBiz/Browserを生み出したアクシスソフトの創業者である大塚裕章氏が新たに起業したベンチャーである。

 同社の主力製品はAjaxBuilderだ。AjaxBuilderはAjaxを利用したWebアプリケーションをGUIで構築できる開発ツールで、そのライトバージョン(基本機能のみを提供)が年内に出荷される予定だ(2005年11月現在)。

コードを1行も書かないAjax開発ツール

 AjaxBuilderは、GUIのインターフェイスのみでAjaxアプリケーションを構築できるユニークなツールだ。Ajaxアプリケーションでよく利用されるコードがコンポーネントで用意されているため、アプリケーション作成者は、これらを組み合わせるだけでAjaxアプリケーションを構築できる。

画面1 AjaxBuilderの開発画面

 AjaxBuilderによる開発は、アプリケーションの表示枠を指定するところから始まる(画面2)。表示したい領域を指定し、そこに表示する画像を選択(画面3)、さらにその画像の上で行う動作をオプションで選択する(画面4)という簡単なものだ。Webプログラマでなくても、Google Maps程度のアプリケーションを作成できてしまう。「現在、Ajaxアプリケーションを実現するコンポーネントは20程度。数は徐々に増やしていく」(同社 研究開発部 部長 園辺康弘氏)。

画面2 画像を割り付ける領域を決める

画面3 領域と画面を割り付ける

画面4 オプションで動作を指定する。これはマウスオン状態で領域を着色する場合の指定

 AjaxBuilderが得意とするのは、Google Mapsのように背景画像を非同期に読み込みながら、その上でそれと連動するプログラムを動作させるアプリケーションである。同社 代表取締役 副社長 庄司渉氏は「目指したのは、Ajaxうんぬんの前に非同期でインタラクティブなコンテンツを実現することでした。」と話す。実はHOWSはAjaxを使わなくても(すなわちXMLHTTPRequestを使わなくても)非同期のアプリケーションを実現する技術を確立している。しかし、現在はAjaxがブームであり、Ajaxベースで非同期を確立しているという。

 本稿では画面を紹介できないが、取材では、目的地までの経路を地図と地図にマッピングされた実際の写真で案内するアプリケーション。地図上で目的地までの最短経路を発見し、ルート作成と距離計算を行うアプリケーション。Flashのようにインラインで動画を再生する機能も、デモで見ることができた。

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 INDEX

リッチクライアントベンダ・インタビュー(7)
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