Microsoft Windows 2000テクニカル リファレンス TCP/IPプロトコル&サービスガイド


Thomas Lee、Joseph G. Davies著
(有)トップスタジオ訳
575ページ
定価:4800円
ISBN4-89100-164-X
日経BPソフトプレス発行


 コンピュータ技術者向けの雑誌などでは、「TCP/IP」の基礎的な解説記事を掲載すると、今なお高い反響があるという。言うまでもなくTCP/IPは、インターネットや企業内LANを始め、今やあらゆるコンピュータ・ネットワークで使われている標準ネットワーク・プロトコルだ。タイトルからも分かるとおり、本書はTCP/IPに関する技術解説書である。

 「Windows 2000 テクニカル リファレンス」シリーズは、テーマごとに技術を基礎から解説するシリーズで、邦訳書としてはほかに『Microsoft Windows 2000テクニカルリファレンス Active Directory導入ガイド』が、英文の原書としては『Microsoft Windows 2000 Performance Tuning Technical Reference』や『Microsoft Windows 2000 Security Technical Reference』がある(2000年10月時点)。

 コンピュータ・ネットワークが広く普及した現在、コンピュータ技術書の棚を持つ気の利いた書店に足を運べば、TCP/IPの技術入門書を複数見つけることができるだろう。読者の中には、「TCP/IPの入門書なんて、すでにいくらでもあるじゃないか」とお思いの方がいるかもしれない。確かにそのとおり。TCP/IPの技術解説書はいくらでもある。しかしそれらのほとんどは、UNIX環境を前提としていたり、Windowsなどといった特定の実装環境からはかけ離れた抽象的なものだったりするはずだ。実際にTCP/IPはUNIX環境で生まれたプロトコルであるし、UNIXとともに発展・普及してきたのだから、これもやむを得ない話ではあるし、すべてを詳細に解説しようとすると1000ページでも足りないくらいになりそうだからだが、Windowsネットワーク・エンジニアにとっては、TCP/IPの学習と、実環境への応用が分離されることになり、不便であった。実際、Windowsネットワークでは、従来のWindowsワークグループ・ネットワーク・プロトコルであるNetBEUIをTCP/IPでカプセル化したNBT(NetBIOS over TCP/IP)が利用され、純粋なTCP/IPネットワークにはなかったノウハウやトラブル・シューティングなどのテクニックが必要になる。またアプリケーション層レベルで言えば、Windowsネットワークに独自のWINS(Windows Internet Name Service)や、SMB、IPPなどがある。

 このような不満を持つ読者に対し本書は、Windows 2000をベースとするTCP/IPネットワークを対象に、TCP/IPの技術解説を一から行なっている。著者であるThomas Lee氏とJoseph Davies氏は、Microsoftサポート・エンジニア向けのTCP/IPトレーニング・コースを設計した人物でもあり、全体を通して、学ぶ側の立場に立った丁寧な解説がなされている。この過程でIGMP(Internet Group Management Protocol)やIPv6(Internet Protocol Version 6)、VPN(Virtual Private Network)といった最新の話題についても網羅されている。

 Windowsネットワーク・エンジニアがTCP/IPを学ぶ際のリファレンスとして、手元に置いて損のない一冊だろう。

 

「Book Review」

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