NTT東西が新サービス、「われわれがテレビ電話文化を創出する」

2004/7/22

 NTT東日本とNTT西日本は、Bフレッツおよびフレッツ・ADSLを利用するユーザー向けのIPテレビ電話端末「フレッツフォン VP1000」を発表した。

NTT東西が発表した「フレッツフォン VP1000」。タッチパネル式の8インチ液晶を搭載する

 VP1000は、VP1000同士でテレビ電話通話が可能。さらにPCやソフトフォンとの通信もできる。IPv4とIPv6に対応し、プロトコルにSIPとH.323を採用。出入力インターフェイスは、10BASE-T/100BASE-TXを1ポート用意した。ユニバーサルプラグアンドプレイ(UPnP)、PPPoEにも対応している。

 VP1000はテレビ電話機能のほかに、NTT東西の「Lモード」サービス、専用のWebブラウザと電子メールソフトを利用したインターネット接続サービスが利用できる。通話者間でメモ帳機能を共有できるほか、USBポートに対応機器を接続し、機能を拡張することができる。

 NTT東日本 常務取締役 コンシューマ事業推進本部長 古賀哲夫氏は「ノンPCであるこの新しいIP電話端末は、赤ちゃんから100歳のおじいちゃん、おばあちゃんまでが、相手の顔を見ながら話ができる電話」と操作の簡単さを説明し、「相手の顔が光ファイバ回線のキラーコンテンツとなる。VP1000が新たなコミュニケーション手段を創出する」とアピールした。

 VP1000が利用するネットワークは2つのタイプがある。1つはNTT東日本が提供するIPv6の閉域網「フレッツ・ドットネット」。IPv6のIPアドレスを「66-xxxx」という6ケタの“FLET'S.Netナンバー”に変換してVP1000同士やPCと通信する。サービス開始時にフレッツ・ドットネット網を利用できるのはNTT東日本のユーザーだけだが、NTT西日本でも同様のサービスを検討中だという。

 だがNTT西日本がフレッツ・ドットネットと同様のサービスを開始しても、NTT法の規制で両社のネットワークは相互接続できない。つまり、NTT東日本と西日本のユーザー間でテレビ電話が利用できないことになる。NTT東西のネットワークをどうつなげるかについて、古賀氏は「規制が緩和されれば、NTT東西の敷居を超えて全国につながるサービスが展開できるようになる」と語り、規制緩和を待つ姿勢を示した。

 VP1000が利用するもう1つのネットワークは、インターネット・サービス・プロバイダ各社が提供する予定のIPテレビ電話サービス。NTT東西と提携するプロバイダで利用できる予定で、9月1日にサービスを開始。050番号で相手を識別する。プロバイダ各社とNTT東西とのサービス提携内容によって、携帯電話との通信もできるようになる。どのプロバイダがIPテレビ電話サービスを提供開始するかは未定だが、9月1日までに発表するという。テレビ電話を含まない一般のインターネットアクセスはプロバイダ各社がすでに提供している接続サービスで利用できる。

 VP1000のターゲットは家庭だけではない。NTT東西はオフィス向けのビジネス展開も計画している。TV電話会議や映像を利用した受発注のシステム、介護やセキュリティビジネス向けに、システム・インテグレータとのパートナー制度を設けて展開していく考えだ。また、端末自体は「IP電話端末のファーストバージョンである」(古賀氏)といい、今後、高機能化や低価格化、カメラの高機能化、バッテリ搭載、無線LAN対応などを行っていくという。VP1000の販売開始は9月1日を予定。販売目標はNTT東西のそれぞれで年間5万台。価格は6万2790円。

(編集局 富嶋典子)

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NTT東日本の発表資料
NTT西日本

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