サンがx86プラットフォームで本気になる8月

2004/8/19

サン・マイクロシステムズ 営業統括本部 常務取締役 本部長 末次朝彦氏

 サン・マイクロシステムズは8月18日、x86プラットフォーム事業の強化に乗り出すと発表した。同社 営業統括本部 常務取締役 本部長 末次朝彦氏は「x86プラットフォームはサンの中核事業だ」とアピールする。同社のx86プラットフォーム事業は2003年ごろから本格化した。同社にとっては新しい事業領域であり、ハードウェアの面ではインテル・アーキテクチャ(IA)、OSの面ではLinuxという強力なライバルと互角に渡り合っていかなくてはならない。そのために、8月1日付で社内に「x86推進プロジェクト」を発足し、専任チームを組織化した。この専任チームは、新製品を中心とするx86ベース製品向けアプリケーションの開発支援や顧客の移行支援/導入支援を手がけることになる。

 「サンがソフトウェアの開発に注力し、ハードウェアの開発から撤退するのではないか、という誤解が一部にあるようだ」と末次氏はいう。しかし、米サンは、2003年11月にサーバ単体の処理性能の向上を図る目的で、米AMDと戦略的な提携を結び、米Kealiaを買収することでOpteronベースのシステム投資を強化している。また、2004年4月の米マイクロソフトとの提携でプラットフォームの相互運用性の確保を狙い、2004年6月に結んだ富士通との提携でSPARC+Solaris技術の普及を目指すというように、実際、ハードウェアに対する投資を果敢に行っている。今回社内に「x86推進プロジェクト」を発足したのは、IA+Linuxというx86プラットフォームの競合製品が64ビット環境に向けて着々と地歩固めを行っていることへの対抗策といえる。

 ターゲットとする市場は、32ビット環境から64ビット環境への移行需要が見込める分野を想定している。具体的には、半導体設計支援(Electronic Design Automation=EDA)やコンピュータ支援設計(CAD)、インターネット・サービス・プロバイダ向け設備、ソフトウェア開発分野など。

(編集局 谷古宇浩司)

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