インターネット広告の今後の“伸びしろ”は正確な評価方法

2004/11/12

 オプトは11月11日、インターネット広告の効果測定ASPシステム「アドプラン」でネット広告の“誘導効果”を測定できるサービスの提供を11月22日より開始すると発表した。この新サービスは、サブミット(購買)に貢献した広告媒体だけではなく、サブミットする直前に訪れたWebサイトも評価対象にできるというものだ。

 従来のインターネット広告測定では、クリックレートや購買に直接結びついた広告しか評価する方法がなかった。しかし、この方法を用いれば、広告を印象付けた広告媒体と、購買に結びついた広告媒体が異なった場合でも、双方を評価できるとしている。購買したユーザーの「Cookie」や「Referer」などを分析することで、このサービスを実現している。

オプト取締役CMOの野内 敦氏

 具体的には、あるユーザーがA広告を見てXという商品を認知し、その後B広告を見て購買したとする。従来の評価では、B広告が100点でA広告は0点の評価しかできなかった。しかし、実際にはA広告も商品認知やページ誘導には貢献している可能性もあり、十分広告として評価の対象になり得るが、評価する“方法”がなかったのだという。オプトの取締役CMO野内敦氏は、「いまではA広告にはバナー、B広告にはリスティング広告やテキスト広告が当てはまるケースが多いだろう。世間ではバナー広告の効果下落が語られているが、バナー広告の効果がなくなったのではなく、あくまで『広告の役割分担が進んでいる』だけなのだ」と分析する。

 アドプランは、クリック数か登録アドレス数に応じた従量料金制。バナー広告やメール、テキスト広告からの効果を測定できる「ADPLAN BASIC」や、オーバーチュアなどのリスティング広告を測定できる「ADPLAN SEM」、検索サイトから検索によって訪れたユーザーを測定できる「ADPLAN SEO」、メール広告から測定できる「ADPLAN eCRM」の4種類を用意している。新サービスはこれらのいずれかのサービスを利用したうえでオプションサービスとして利用する。料金は月額5万円から。

 この新測定方法は、購買したユーザーのRefereやCookieを分析することで実現している。技術的には、購買に結びついたサイトの20サイト前まで調べることができるとしているが、「現状、多くの企業ではそのデータがあってもどこまでが購買に関係しているか分析する『分析力』の方が足りないだろう。従って、当面は直前の1サイトのみの提供にする」(野内氏)と説明した。

 野内氏は最後にインターネット広告業界の動向について、「数年前で一段落したものの、昨今ではインターネット広告が元気を取り戻しつつある。今後さらなる“伸びしろ”を確保するためには、広告の正確な評価方法が必要だ。今回のサービスにより、従来より精度の高い広告の評価方法を提供できるはずだ」と語った。

(編集局 大津心)

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オプト

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