セレナ、構成管理ソフトウェアを導入する理由を語る

2004/12/11

 アプリケーション・ライフサイクル・マネジメント(ALM)は、ソフトウェア開発プロセスの普及などもあり今後の成長が予想される分野だ。セレナソフトウェアはこの分野で以前からメジャーなプレーヤーとして製品をリリースしてきたベンダであり、今年の5月にメラントを買収したことで、メインフレームからオープンシステムまでをサポートするラインナップが揃った。

 同社は新製品「Serena TeamTrack 6.2」日本語版を2005年2月1日に出荷すると発表した。同製品はソフトウェア構成管理の機能を基本にしたソフトウェアだ。レポートデータベースとワークフローエンジンがコアである。例えば、開発中にバグが発見され、レポートが入力された場合、そのレポートはだれによって承認され、だれが修復にアサインされ、テスト担当によって検証されなければ修復作業は終了しない、といった仕事の流れをワークフローとしてグラフィカルに定義できる機能を備える。

 製品の発表に合わせて来日した米セレナソフトウェア バイスプレジデントのジェイムズ・ロジャース(James Rogers)氏に、同社の戦略を聞いた。


――今回発表されたTeamTrackとは、どのような製品ですか?

米セレナソフトウェア バイスプレジデントのジェイムズ・ロジャース氏

ロジャース氏 ソフトウェア開発におけるバグの追跡機能などを備えた構成管理ソフトウェアです。ですが、それだけでなく、製造プロセスやヘルプデスクでの顧客対応プロセスの管理などにも利用できる、プロセス管理のインフラとなる製品です。

 現在では、多くの企業でビジネスの要求にITを合わせるなどのプレッシャーが高まっています。そのために、アプリケーションの開発プロセスを、追跡可能かつ予測可能な、自動化されたプロセスにする必要があります。これを実現するためには、すでに企業が保有し、開発の過程で使われている多くのOSや開発ツールなどをうまく連携させていかなければなりません。TeamTrack製品を中心とするわれわれの戦略「Serena Application Framework for Enterprise(SAFE)では、そうした他社のツールなども幅広くサポートし、統合していくことを考えています。

――構成管理を導入するためには、まず開発プロセスの整備やマネージャの意識の変化が先に求められるのでしょうか?

ロジャース氏 そうでもありません。TeamTrackを導入した多くの企業では、まずは既存のとてもシンプルなプロセスに対して導入しています。この製品の特徴の1つは、とても簡単に使い始められるということです。そして、製品を使っているうちに、徐々に複雑なプロセスへと発展させていくケースが多いですね。

 また、トップダウンで構成管理ツールが導入される理由の1つに、規制当局への対応のために業務プロセスをつねに監査し、追跡可能にしておく必要があるケースもあります。こうした場合は、構成管理ツールの導入は必須になるでしょう。そうでなくとも、企業はROIを高めるといったプレッシャの中で、プロセスを成熟させていかなければなりません。そうしたことも、構成管理ツールを導入する理由の1つになります。

――マイクロソフトやIBMやそのほか開発ツールやテストツールを提供している企業も、自社製品にALM機能を追加・統合しようとしています。セレナはそうした統合されたソフトウェアツールに対し、どのようなメリットが提供できるのでしょう?

ロジャース氏 フレキシブルな点でしょう。他社の統合されたツールは、きっちりと統合されているがゆえに、プロセス全体で利用する製品を同一ベンダの製品で揃えることを前提にしています。しかし、企業ではすでにさまざまなベンダの製品やプラットフォーム、OSなどが使われているでしょう。われわれはそうしたものにそのまま対応することを実現します。それがセレナの戦略です。

(編集局 新野淳一)

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