盗聴・盗撮機器の電波を自動解析、2万円からレンタル

2006/2/1

プログレッシブ・システムズ 代表取締役 佐野充氏

 プログレッシブ・システムズは1月31日、無線盗聴器や盗撮カメラの有無を自動感知するシステム「Space Security システム(SS-700)」を開発、1月31日に販売すると発表した。設置場所の電波環境を自動でデータベース化し、データベースにない異常電波を発見するとその電波の周波数から無線盗聴器や盗撮カメラのモデル、設置場所などを解析し、インターネットを介して管制サーバに通知する。情報をセンター側のサーバで一括管理できるため、広範囲な地域を対象に365日24時間の集中監視が可能。

 SS-700の周波数探知帯域は1〜6GHzまで。同社 代表取締役 佐野充氏によると「盗聴の99.9%は1.2MHz帯で行われている」という。盗聴探知半径は50mで、盗撮探知半径は10m。管制サーバ1台当たり最大500台まで接続することができる。同社独自開発の探知アルゴリズムにより、盗聴器、盗撮カメラが発する電波を自動的に解析し、設置の有無をSS-770自らが判断する。

 現在、秋葉原では「どう考えても盗聴・盗撮にしか使えない機器が年間30万台も売られている」(佐野氏)。公式データではないが、盗聴・盗撮市場は年間30億円市場だという。さらに、盗聴器については月50種類、盗撮機器については月10種類の新製品がリリースされていると同社は報告する。

 SS-700の当面の主要顧客は銀行。旧UFJ銀行の盗撮事件などで明らかなように、銀行にとってはATMの盗聴・盗撮防御が喫緊の課題となっているようだ。また一流ホテルも同製品のニーズがあると同社では見ている。政府の要人などが宿泊するホテルのエグゼクティブルームでは、盗聴および盗撮が行われる可能性が大きい(実際にそのようなケースもあるという)とする。

 将来的には警備会社などを通じて、個人宅のセキュリティサービスに組み込んでいくことも計画している。

 レンタル方式で1台当たり2万〜5万円(管制サーバのソフトウェア料金を含む)。2万円という価格帯は、通常、ATMのセキュリティ巡回監視サービスが2万5000円程度であることから。

(@IT 谷古宇浩司)

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プログレッシブ・システムズ

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